安全・安心な街づくりの促進を目的に、世界各国の警察が音楽を通じて市民と交流する「第25回世界のお巡りさんコンサート特別編」(毎日新聞社主管)が11月19日、東京・上野の東京文化会館大ホールで開かれた。2020年は新型コロナウイルスの感染拡大で中止となったため、開催は2年ぶり。警視庁音楽隊の生演奏に加え、コロナ禍で渡航が難しかった海外4カ国の警察音楽隊から届いた演奏の映像も披露され、観客は力強い調べに耳を傾けた。
世界のお巡りさんコンサートはこれまで、数カ国の警察音楽隊が集まってパレードをしたり、合同演奏をしたりして、世界各地で警察が身近な存在であることをアピールしてきた。コロナ禍で集まることができなかった今回、警視庁音楽隊は特に強い思いを持って臨んだ。緊急事態宣言が繰り返される中、感染拡大を防ぐため公演を控えてきたためだ。年間150回を超えた演奏は20回前後に減っており、久しぶりに観客を迎えての舞台となった。
警視庁音楽隊は「80日間世界一周」や「さらばジャマイカ」などを披露し、異国情緒を感じさせた。警視庁音楽隊カラーガード「MEC」も音楽に合わせて、カラフルな衣装でのダンスや警視庁のフラッグを使った演技を見せ、会場は大きな拍手に包まれた。
シンガポール警察、マレーシア国家警察、ニューヨーク市警察、パリ警視庁の音楽隊が事前に現地で撮影した映像は、舞台に設置された大スクリーンで上映された。ミュージックビデオのような演出から、コンサートホールでの本格的な演奏まで、それぞれ工夫したパフォーマンスで会場を魅了していた。