コピーライターの仲畑貴志さん(74)が選者を務める毎日新聞の人気連載「仲畑流万能川柳」が30周年を迎えたのを記念し、仲畑さんと旧知のコピーライター・糸井重里さん(73)が対談するオンライントークイベントが11月26日に開かれた。数々の名コピーを世に送り出してきた2人が、万能川柳を切り口にして、言葉との向き合い方について語り合った。
仲畑流万能川柳は、1991年11月5日に毎日新聞朝刊でスタートした。投句は、はがきのみで受け付け、1日18句を掲載している。旧来の枠にとらわれず、人々の心のつぶやきが斬新に詠まれた作品は、当初「こんなものは川柳ではない」という声もあったものの、投句のはがきが年々増加。2020年には年間約15万6000通、句数にして62万句を超える人気コンテンツに育った。
月間大賞・月間賞の中から年間大賞1句、準大賞1句、特別賞3句が選ばれており、年1回全国のファンが集う「強運者の集い」のほか、各地で自主的なファンの集いが開かれるなど投句者同士の交流も盛んで、約5年に1回のペースで傑作選が刊行されている。
30周年記念のオンラインイベントは「仲畑貴志×糸井重里『誰だってつぶやきたい』~万能川柳30周年記念トーク~」と題して開催された。「僕がチャーミングだと思うものを選んでいるだけ。選句は投句者と選者とのコミュニケーションだから、投句者と選者がお互いに影響しながらこの世界を作り上げてきた。その結果、他にはないワクワク感やスピード感が出せたんだと思う」と振り返る仲畑さん。20代の頃からの親友という糸井さんとともに、良いコピーについての考えや言葉への思いを語ったほか、参加者から寄せられた川柳の講評もした。
12月25日に傑作選出版
12月25日には仲畑流万能川柳の傑作選の最新刊「日本のつぶやき 万能川柳秀句一〇〇〇」(毎日新聞出版、税込1980円)が出版される。また、年4回刊行される「万能川柳ファンブック」、ベテラン作家の個人句集シリーズ「万能川柳文庫」も人気を集めている。問い合わせは毎日新聞万能川柳事務局(03・3212・2349)。