公益財団法人新聞通信調査会はこのほど、第14回「メディアに関する全国世論調査」の結果を発表した。「新聞」「テレビ」「インターネット」「雑誌」などの各メディアで、その情報の信頼度を聞いたところ、「NHKテレビ」が69・0点で最も高く、「新聞」が67・7点と続いた。19、20年度の調査では信頼度は「新聞」が最も高かったが、トップをNHKにゆずる形となった。同協会では、「新聞を読まない人、新聞を購読していない人で昨年度からの低下が大きかった」などと分析している。
同調査は、2008年度から毎年度実施。今回は21年8月27日から9月14日まで、全国の18歳以上の5000人を対象に訪問留置法で行い、3047人(60・9%)から回答を得た。内訳は男性1460人、女性1587人。18~19歳=63人、20代=237人、30代=377人、40代=519人、50代=512人、60代=531人、70代以上=808人。
調査結果によると、各メディアの信頼度は「NHKテレビ」が69・0点(前回調査69・0点)、「新聞」が67・7点(同69・2点)、「民放テレビ」が61・3点(同62・0点)、「ラジオ」が55・4点(同55・3点)、「インターネット」が49・2点(同49・7点)、「雑誌」が42・3点(同42・2点)となった。
同調査会が新聞の信頼度の得点が低下したことについて分析したところ、「新聞を読まない人、新聞を購読していない人で、昨年度からの低下が大きかった。また、ネットに76点以上の信頼度得点をつけた人でも、低下が大きかった。年代別では40代、職業は管理職と無職で、低下が大きかった」としている。
また、新聞の購読率は61・4%で前回より0・1ポイント上昇。調査開始の08年度の88・6%と比べると、27・2ポイントの低下となっている。今後について、「紙の新聞を購読する」が49・7%と最も多く、「図書館やネットなど無料で読める分で十分」が25・4%、「無料でも新聞は読まない」が11・8%だった。
新型コロナの情報は「民放テレビ」で入手
また、昨年度から続く新型コロナウイルス感染症に関する情報の入手方法をたずねたところ、「民放テレビ(公式サイトも含む)」が最も多く81・7%、「NHKテレビ(同)」63・5%、「ポータルサイト(ヤフー、グーグルなど)」44・6%、「家族や友人」34・7%、「お住まいの都道府県や市区町村のホームページ」31・8%と続いた。
「新聞(全国紙、公式サイトも含む)」は31・5%、「新聞(地方紙、同)」は30・1%、「SNS(ライン、ツイッター、フェイスブックなど)」は29・2%だった。
各メディアの「ワクチン報道」の印象をたずねると、「ワクチンの有効性や副反応について、科学的な根拠に基づいていて情報を信用できた」という人は、「民放テレビ」52・9点、「NHKテレビ」47・7点、「新聞」31・1点と高かった。
一方、悪い印象は「民放テレビ」「インターネット」が高い点を占めた。「ワクチンの副反応について、不安を煽ろうとしていた」や「接種を強制しようとしていると感じた」、「ワクチン不足や接種の遅れなど、政府の批判ばかりしていた」が、他のメディアより強い結果となった。
「ワクチンに関する不確かな情報、デマを流していた」は、インターネットが46・3点と最も高かった。