新聞協会「地域貢献大賞」表彰式 大賞の小林所長らに贈賞

2021年12月7日

 日本新聞協会は11月25日、全国の新聞販売所や新聞販売同業者組合などが各地で行っている地域貢献活動を顕彰する「地域貢献大賞」の表彰式を、東京・千代田区のプレスセンターホールで開いた。地域貢献賞7件に続き、地域貢献大賞に選ばれた小林新聞舗(ASA平野・大阪市平野区)の小林雅治所長が登壇し、丸山昌宏会長(毎日)から記念の盾が贈られた。

 

記念撮影する受賞者と丸山会長、石井委員長

 

「販売所の活動が新聞の信頼性高める」

 

 同賞は今年で15回目。表彰式の冒頭、丸山会長があいさつ。大賞に選ばれた活動を評価するとともに、「地域貢献賞も高齢者のサポート、子どもたちの育成支援、地域の見守りやボランティア活動などが選ばれ、いずれも地域に根付いた新聞販売所ならではのていねいな取り組みばかりだ」とたたえた。

 

 そのうえで、「新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動は大きな打撃を受け、新聞販売所も折込広告が激減するなど厳しい環境にさらされている。こうした環境下にも関わらず、皆さんが日々の活動を続けていることは、新聞販売所への信頼を高め、ひいては新聞への信頼を高めており、大変感謝している」と語った。

 

 新聞協会販売委員会・石井武志委員長(朝日)が選考経過報告。地域貢献賞の活動の紹介と記念の盾が贈られたあと、地域貢献大賞を贈賞した。

 

「地元に必要とされる新聞販売店に」

 

小林雅治所長

 

 最後に、小林所長があいさつ。「私たちの販売区域である平野は、大阪市東南部に位置し、中世から環濠に囲まれた地域都市として繁栄した街だ。戦火を免れた街で、昔の町屋など当時の面影を残す町並みが残る」と紹介。

 

 「当社は1889年、明治22年に平野の地で新聞販売店を創業し、私で6代目になる。受賞理由の一つであるミニコミ紙『だんじり新聞』は1983年に前社長である父が創刊して以来、今年の11月号で通算414号になる」という。

 

 紙面内容は、平野の歴史や生活情報が中心で、現在は奇数月の1日に新聞折込による配布、区役所、スーパーなどに配置し、地元の人々に広く読んでもらっている。

 

 また、「平野町ぐるみ博物館(新聞屋さん博物館)運動」は、隣接する旧店舗(登録有形文化財)を模した博物館を活用し、町おこしに貢献している点などが評価された。創業時の配達順路帳などが展示されており、「わが国初の新聞販売店目線の博物館だと自負する」と説明した。

 

 そのうえで、「若い世代の新聞離れや、コロナ禍における新聞折込広告の減少など、新聞販売を取り巻く環境は大変厳しくなっているが、今回の受賞を契機に、地元の皆さんから必要とされる新聞販売店を目指して従業員とともに、より一層頑張っていこうと思う」と話した。

 

 受賞した地域貢献賞7件は次の通り。

 


 ▽震災後10年続く地元中学生とのワークショップと「読売中学生新聞みやぎ」の発行=宮城県読売会
 ▽89歳所長が贈る心温まるミニコミ紙によるシルバーサポート=読売センター大湊所長・浅沼良子氏
 ▽若年求職者に対する就職支援のためのNIB、地域企業でのNIB活動、小・中・大学のNIE=㈱岩手日報都南センター代表取締役社長・大志田雅彦氏
 ▽文京区ハートフルネットワーク事業=文京区新聞販売同業組合
 ▽教育委員会と全系統の社と店が連携し、小中学校の教室に新聞を届けている活動=特定非営利活動法人一宮がっこうおうえん隊理事長・青木俊憲氏
 ▽地域交流を深める温かなミニコミ紙「ひだまり」発行~地域の防犯・交通安全の啓発活動で表彰~=北日本新聞有沢販売店店主・中橋正行氏、前店主・中橋友子氏
 ▽災害時の情報提供=北國新聞販売志雄営業所配達員・西塔正樹氏