第37回読売広告大賞 グランプリに松竹

2021年12月8日

 昨年度、読売新聞に掲載された優れた広告作品を顕彰する第37回読売広告大賞(読売新聞社主催)など三つの賞の贈賞式が11月15日、東京・内幸町の帝国ホテルで開かれ、それぞれの受賞者にトロフィーなどが贈られた。

 

 読売広告大賞では、松竹がグランプリに選ばれた。クリエイティブディレクターらが選考委員を務め、読者モニター約6000人の評価を参考に審査した。

 

 式の冒頭、読売新聞グループ本社の山口寿一代表取締役社長が「グランプリを受賞した松竹の作品をはじめ、コロナ禍の人々の心模様を意識した作品が並んだ。いずれの作品も人々の気持ちを前向きにし、大切なものを思い出させる広告。厳しい状況下で新聞広告を活用していただき感謝に堪えない」とあいさつした。

 

読売広告大賞グランプリに輝いた松竹の広告

 

 グランプリに選ばれた松竹の映画「キネマの神様」の広告は、主演予定だったコメディアンの志村けんさんが新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなり、四十九日にあたる2020年5月16日付の読売新聞朝刊に掲載された。スクリーンに映る志村さんの笑顔と、心に響くコピーで志村さんへの思いを表現している。

 

あいさつする松竹の迫本社長

 

 松竹の迫本淳一代表取締役社長は「この映画は松竹映画100周年を記念する作品。志村さんのご逝去や撮影中止などを経て完成した。『こういう時こそ映画をつくるべきだ』と現場で話し合った決意と思いを表現した。大きな反響があり、新聞広告の影響力を改めて感じた」と喜びを語った。

 

 準グランプリには青森県(20年10月24日付)とアース製薬(同年6月4日付)が選ばれた。

 

第2回読売マーケティング賞 アニプレックスを表彰

 

 第2回読売マーケティング賞(読売新聞社主催)では、グランプリに輝いたアニプレックスが表彰された。同賞は新聞紙面やウェブサイト、イベントなど読売新聞のリソースを効果的に活用した企業・団体のマーケティング活動をたたえるもので、今回は2020年度の取り組みを対象とした。

 

読売新聞グループ本社の山口社長(左)からトロフィーを受け取るアニプレックスの三鍋執行役員

 

 同社はスマートフォン向けゲーム「Fate/Grand Order」の配信5周年を記念し、20年5月4日付朝刊に2連版広告、同年8月10日付朝刊に8ページの広告特集を掲載。新聞広告を触媒にSNSを通じてファンに盛り上がってもらうという狙い通りに、想定以上の拡散を起こし、話題となった。当日の新聞即売部数も大幅に伸ばした。

 

読売マーケティング賞グランプリに選ばれたアニプレックスの広告

 

 三鍋尚貴執行役員マーケティンググループ本部長は「広告出稿のたびにたくさんの方が新聞を手に取り、SNSを通じて発信することで、驚くほどの広がりを見ることができた。手元に残るメディアとしての新聞の活用は非常に重要だと改めて感じた」と語った。

 

 準グランプリには藤子・F・不二雄プロとセイコーウオッチが選ばれている。

 

読売・日テレ AOY 大正製薬が受賞

 

 読売新聞と日本テレビで顕著な広告活動を行った企業や人物に贈られる「第13回読売・日テレ アドバタイザー・オブ・ザ・イヤー」は、大正製薬が受賞した。今回は2019年度から20年度の2年間を対象とした。

 

AOYを受賞した大正製薬の上原副社長と読売新聞グループ本社の山口社長(左)、日本テレビ放送網の大久保会長(右)

 

 大正製薬は、19年に開催されたラグビーワールドカップ(W杯)日本大会のオフィシャルスポンサーとしての宣伝活動をはじめ、日本ラグビー界の発展・支援などスポーツを通じた消費者とのコミュニケーションを新聞、テレビ、イベントなどを舞台に積極的に展開したことが評価された。

 

 同社の上原健代表取締役副社長は「ラグビーW杯などの取り組みを評価いただき感謝する。今後も日本のスポーツ界を盛り上げ、社会に貢献できるように取り組む」とあいさつした。

 

 続いて「読売・日テレ 広告感謝の会」が行われた。約180人の広告主や広告会社などが参加し、読売新聞グループ本社の渡辺恒雄代表取締役主筆、日本テレビ放送網の大久保好男代表取締役会長があいさつし、日頃の支援への感謝などを述べた。