12月7日は「世界KAMISHIBAI」の日──。紙芝居の魅力を世界に発信している「紙芝居文化の会」(IKAJA、代表=童心社・酒井京子会長)は同日、紙芝居を愛し、普及している日本と世界の人たちをつなぐイベントを東京・千代田区のブックハウスカフェで開いた。アジア、ヨーロッパの海外会員ともオンラインでつなぎ、紙芝居の楽しさを改めて分かち合った。
紙芝居は日本で生まれ、独自の文化として発展してきた。今では、アジアや欧米などで「KAMISHIBAI」として親しまれている。紙芝居を世界に普及させる活動は40年ほど前から続けられているが、「紙芝居文化の会」は2001年12月7日に創立された。今年は20年の節目の年で、今では日本全国と世界54カ国に会員が約1000人にもなっているという。
「世界KAMISHIBAIの日」には紙芝居の魅力を体感する日として、各地でさまざまなイベントが開かれている。同会が主催する東京でのイベントは昨年、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期となった。今年は、感染対策をしながら少人数で実施した。
イベントでは「紙芝居が世界をつなぐ」と題して、日本だけでなく韓国、中国、アフリカ、スペイン、ベルギーのお話を紹介。10人の演じ手によりペルシャ語やフランス語、スペイン語なども交えながら、紙芝居を楽しんだ。
最後に、童心社の酒井会長がアンデルセン原作『おかあさんのはなし』(脚本・稲庭桂子さん、絵・いわさきちひろさん)を演じた。この紙芝居は、今では2000タイトル以上ある童心社の紙芝居の歴史の中で、バックナンバー1の出版作品だ。
酒井会長は演じ終えたあと、「コロナ禍で、たくさんの人を集めた紙芝居の集会も、できない状況になってしまった。でもコロナが逆に、本当に人と人とが対面で、目を見つめ合いながら演じる紙芝居の素晴らしさ、力を感じさせてくれた。これからも草の根的に大小の集会で、紙芝居ができたらいい。皆さん、これからも一緒にがんばりましょう」と呼びかけた。