フジサンケイグループはこのほど、正論大賞の選考委員会を開き、第37回正論大賞に比較文化史研究の第一人者である東京大学名誉教授の平川祐弘氏に贈ることを決めた。特別賞は、北朝鮮による拉致被害者の両親である横田滋さん故人、早紀江さん夫妻が選ばれた。
正論大賞は、フジサンケイグループの基本理念「自由と民主主義のために闘う正論路線」を発展させた個人に贈られる年間賞で、正論大賞特別賞は社会や同グループの活動に顕著な貢献のあった個人や団体に贈られる。
新進気鋭の言論人に贈られる正論大賞新風賞は、今回は該当者なしとなった。
平川氏は、世界の諸文化に関する豊富な知識を背景に皇室、神道をはじめ日本の素晴らしさを訴え、新型コロナウイルスの感染拡大などで世論が揺れる中、日本の軸を示した功績が評価された。
また、月刊「正論」で16回にわたり「昭和の大戦とあの東京裁判─同時代を生きた比較史家が振り返る」を連載し、複眼的な視点で東京裁判の偏りをただした。
横田滋、早紀江さん夫妻は、北朝鮮による拉致被害者の横田めぐみさんの両親として、長く拉致問題の解決に向けて取り組み、平成9年2月にめぐみさんの実名公表に踏み切り、世論を大きく動かすきっかけをつくった。夫妻の活動は主権の問題に限らず、家族の大切さを改めて国民に気づかせた。
贈賞式は来年2月に都内のホテルで行われ、受賞者にはブロンズ彫刻、賞金が贈られる。