新聞協会 自民・公明両党に税制改正要望 「知識への課税強化」に反対

2021年12月22日

 日本新聞協会の税制に関するプロジェクトチーム(税制PT)は11月25日、今井俊之税制PT座長(日経)をはじめ朝日、毎日、読売各社の税制PT委員が、自民党の宮沢洋一、公明党の西田実仁両税調会長に面会し、税制改正要望書を提出した。

 

 税制改正要望の骨子は次の通り。

 

 ①2年前から週2回以上発行される定期購読契約の新聞に軽減税率が適用された。新聞界は新聞の公共的な役割が認められたと受け止めている。新型コロナウイルスのワクチンを巡っても、フェイクニュースが拡散した。正確な報道、責任ある言論の役割は大きくなっている。新聞の公共性・公益性に配慮した税制の実現が取るべき方策だと考える。

 

 ②新聞界は「地域への課税強化」にかねてから反対している。この観点から、まず定期購読契約の新聞紙への軽減税率を恒久化していくべきだ。同様の観点から、欧米諸国と同じく即売、書籍・雑誌、電子新聞への拡大をお願いしたい。紙と電子との税率差は、電子新聞の読者に不公平感を抱かせかねない。

 

 ③新聞への軽減税率の適用で先行する欧州諸国では、2019年から電子新聞に適用を拡大する動きが続いている。欧州連合(EU)は電子新聞などの配信を電子的役務の提供だとして、標準税率を適用する考え方を改めている。

 

 ④経済協力開発機構(OECD)による学習到達度調査(PISA)や全国学力テストを見ても、新聞閲読と読解力・学力とには相関関係が認められる。

 

 ⑤民主主義の発展ほか、次世代の人材育成の観点や欧州の動きも参考に、現在の軽減税率の定着と適用範囲の拡大の検討をお願いする。