京都府書店商業組合(犬石吉洋理事長・犬石書店)と京都市消防局がタッグを組み、歳末火災予防の啓発活動としてオリジナルブックカバーを作成し、組合加盟各店で先行配布を行っている。
読み聞かせなど、日頃から行政と取り組むイベントの機会が多い洞本昌哉副理事長(ふたば書房)に消防局側から防災運動の相談があり、組合で諮った結果、ブックカバーの作成が決まった。
デザインは「火消し」つながりで、作家・今村翔吾さんのヒット作品「羽州ぼろ鳶組」シリーズから『火喰鳥』の表紙イラスト、裏は消防士の勇敢な姿を写真で掲載。3万枚作成し、京都組合加盟60店(100店舗)で配布される。
組合の存在価値示す
消防局との打ち合わせや、今村氏、出版元の祥伝社への説明などを担った洞本副理事長は取材に「行政と文芸をつなげる有意義な試み。『火喰鳥』刊行から4年以上経つが、素晴らしい作品をもう一度アピールできる機会にもなる」とし、カバーを見て「羽州ぼろ鳶組」シリーズの購入者も見受けられるという。
洞本氏は「火災予防という地域貢献と、本のPRが同時に取り組めるのは、書店組合に加盟しているからこそ。今後も組合加入のメリット、組合の存在意義を示していきたい」と語っていた。【堀雅視】