産経新聞社は、NTTドコモ、ITベンチャーのマチエミ(東京都渋谷区)と連携し、新たなオンライン写真販売サービス「産経Pic(ピク)」の本格提供を始めた。産経新聞のカメラマンが撮影したマラソン大会やダンス大会などのイベントの写真を、オンライン上で手軽に検索、購入できる。これまでトライアル提供を続けてきたが、1月30日開催の「第41回大阪国際女子マラソン」で本格提供をスタートした。
同社では、「産経Pic」を自社イベントで積極展開するとともに、ドコモとマチエミが共同開発した新サービスのベースとなるシステムを新聞社や自治体など他のイベント主催者に拡販し、新たな収益源の確立を目指す。
新サービスは、ドコモの人工知能(AI)技術を使った画像認識エンジンが大量の写真の中からゼッケン番号などを認識し、ほしい写真を自動検索して一覧表示する仕組み。イベント会場から第5世代移動通信システム(5G)などで写真を高速でアップロードし、速やかに写真を選ぶこともできる。また、静止画のほか、動画コンテンツの提供も可能としている。
ドコモとマチエミが開発したシステムをベースに、産経新聞社が蓄積した写真データなどを活用することで、新聞社などのイベント主催者が使いやすいシステムを完成させたという。
新聞社がイベントなどで撮影した大量の写真は、新聞やニュースサイトなどに掲載した数枚を除きほとんどが「お蔵入り」になっているのが現状。産経はこうした膨大な写真データに着目し、外部企業のデジタル技術を掛け合わせることで、新たなサービスを立ち上げることにした。
大阪国際女子マラソン関連では最初の3日間で120点以上を販売したという。
システムを利用すれば、写真や動画といった新聞社のデジタル資産を収益化できるため、業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)に貢献できると同社では期待している。