毎日新聞社は、先進的に取り組んできた地球環境保護やSDGs(持続可能な開発目標)に関わる企画、事業、報道などを総括する新組織「サステナビリティ委員会」を4月に発足させる。環境、社会、経済の持続可能性に配慮した経営にさらに力を入れ、社会の課題解決に貢献するとともに、毎日新聞のブランド向上を目指す。
毎日新聞社は1991年に「生命をはぐくむ地球を大切にします」などとうたった企業理念を制定。95年に東アジア地域全体の環境保護と公害防止に貢献した個人や団体を表彰する日韓国際環境賞を始め、翌年には「科学部」を「科学環境部」に改称して環境面を他紙に先駆けて常設するなど、環境問題に積極的に携わってきた。
2005年からは資源の大切さを訴える「MOTTAINAIキャンペーン」を続けているほか、東京2020オリンピック・パラリンピックを機にバリアーゼロ社会の実現を目指して設立した「毎日ユニバーサル委員会」、共生社会の実現を目指す「ともに 共生社会をめざして」キャンペーン、「農」「食」に携わる人を後押しするための作文コンクール「毎日農業記録賞」といったサステナビリティに資する事業に取り組んでいる。
20年3月には「SDGs(持続可能な開発目標)」推進に取り組む世界各国のメディアと国連との協力の枠組み「SDGメディア・コンパクト」にも加盟し、SDGsをテーマにした企画にも力を入れている。
ただ、これまでは各事業をそれぞれの事務局が個別に運営してきた経緯があり、毎日新聞社が全社を挙げてサステナビリティを重視している姿を知ってもらうためには、これらの事業を集約する組織をつくり、一元的に取り組む必要があると判断した。
サステナビリティ委員会は社長を委員長とし、関係役員や大阪、中部、西部本社代表、北海道支社長らで構成する。事務局は社長室に置き、数人の専従者と兼務者が実務にあたる。
4月以降は、以前取り組んだ植樹活動や富士山の清掃活動のような独自キャンペーン、サステナビリティを起点にした他社との協業ビジネスなどにも取り組む。