読めば心が熱くなる第2弾は「生き方」の教科書──。致知出版社は3月25日の取次搬入で、新刊『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』を刊行する。2020年11月末に刊行し、現在30万部のベストセラーとなっている『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』に続いて、各界の第一線で活躍するプロフェッショナルの言葉が、今を生きる人たちに指針を示す。両書合わせて読者の心を震わす2部作となる。3月11日以降、全国の91店舗で順次先行販売されるなど、注目を集めそうだ。
先に刊行した『仕事の教科書』は、創刊から40年以上となる月刊誌『致知』の1万本以上におよぶ人物インタビューから、編集長と編集部が書籍化する365本を厳選。1日1話形式で、1月1日から12月31日まで1年間読めるように作った。
400㌻以上と分厚く、定価も2585円と高めだが、刊行後は大きな反響を呼んだ。新型コロナウイルス感染症の拡大で、社会に停滞感がただよう中、仕事のプロフェッショナルが残した言葉に鼓舞される読者が広がった。
ブックレビューサイト「ブクログ」の2020年年間ランキング第1位(評価順)や、フライヤーなど主催「読者が選ぶビジネス書グランプリ2022」の総合グランプリ獲得など、高い評価も得た。同社始まって以来、最も売れている書籍となっている。
その2部作目となる新刊『生き方の教科書』も、1日1話の形を継承している。表紙のデザインも統一感を持たせた。内容も『致知』のインタビューや講演録などから、読んだ人の生き方を考えさせるような一流プロの言葉を厳選。瀬戸内寂聴さん、五木寛之さん、伊調馨さん、加藤一二三さん、長渕剛さん、村田諒太さんら、『仕事の教科書』以上に多様なジャンルの豪華ラインナップとなっている。
両書の担当編集者である致知出版社・小森俊司書籍編集部次長は、「『仕事の教科書』が大きな反響をいただいていた21年3月ごろから、2部作目に取りかかった」という。前編集長で現在主幹の藤尾秀昭氏が前作と同様、全面的に携わっているほか、小森氏が中心となり編集部でプロジェクトチームを組んで進めた。
小森氏は「今回の『生き方』はもともとやりたかったテーマ。私どもは月刊『致知』で、いつの時代も変わることのない人の生き方を追求してきた。その中から前作以上に厳選された本書は、より人生訓や人生の深みを教えてくれる実話が集まっている」と自信を覗かせる。「前作を薄めるような、ただの続編には決してしないよう心がけた」と語る。
初版5万部 東京・大阪などで大展開も
『生き方の教科書』の初版は5万部。3月下旬の発売に向け、同社では積極的な販売促進活動を進めている。3月11日から、過去最大規模となる全国91の書店で先行販売を実施する。ほぼ全ての店舗で50冊以上展開してもらう。最も早く販売が始まるのが東京の丸善丸の内本店で、1000冊を設置。ポスターも店内に多数貼り出される予定だ。大阪の紀伊國屋梅田本店などでも大展開される。
さらに、3月8日には1日限定でダウンロード特典つきのAmazonキャンペーンも実施する。そのほか発売とともに日経新聞、読売新聞、毎日新聞に広告を出稿する。
『仕事の教科書』や昨年10月に刊行した『稲盛和夫一日一言 ~運命を高める言葉~』で作った書店とのつながり、人脈なども生かしていく。
今年1月には『仕事の教科書』が多く売れた津々浦々の書店1件1件に、営業・編集総出で電話し、感謝とともに新刊の発売を伝えていったという。「どの店の方にも、新刊が出ることをとても喜んでいただいた」と、期待の大きさも実感している。【増田朋】