凸版印刷のグループ会社「BookLive」(ブックライブ)は、人気漫画のキャラクターを表彰する「マガデミー賞」を創設し、3月16日に東京都内で第1回の授賞式を開いた。主演男優賞には『ミステリと言う勿れ』(小学館)の久能整が、主演女優賞には『暁のヨナ』(白泉社)のヨナがそれぞれ選ばれ、特別審査委員長のお笑い芸人・ケンドーコバヤシさんから、受賞キャラクターの〝代理出席者〟である出版社の担当者にトロフィーが贈られた。
コミック担当書店員も審査
これまであるような漫画作品を表彰するアワードではなく、漫画のキャラクター自体にスポットを当てる「マガデミー賞」。「会社や立場の枠を超え、漫画のキャラクターたちに感謝と敬意を表し、さらなる躍進を応援する『キャラクターを讃える文化』の醸成を目指して創設」した。BookLiveによると、漫画のキャラクターを出版社横断で讃えるアワードは業界初だという。
今回は、特設サイトで一般のファンからキャラクターを推薦してもらい、審査員の審査を経て、ノミネートを快諾した17人のキャラクターから、「主演男優賞」など5部門を選出した。
漫画好きなケンドーコバヤシさんを特別審査委員長に、三省堂書店でコミック売り場担当の近西良昌さん(海老名店)と虎澤佑紀さん(名古屋本店)、SHIBUYA TSUTAYAのコミックフロア担当の岩元渉さん、山岸誉幸さん、ブックライブの顔の見える書店員・すず木さん、えい子さんの計6人が審査員を務めた。
第1回の受賞者には、主演男優賞に『ミステリと言う勿れ』(小学館)の久能整が、主演女優賞に『暁のヨナ』(白泉社)のヨナが、助演男優賞に『東京卍リベンジャーズ』(講談社)のマイキーこと佐野万次郎が、助演女優賞に『ちはやふる』(講談社)の若宮詩暢がそれぞれ選ばれた。また、審査員特別賞に『ベルセルク』(白泉社)のガッツが選出された。
授賞式では、各賞のキャラクターが紹介され、それぞれ〝欠席〟の受賞者に変わって、出版社の代理出席者が登壇。ケンドーコバヤシさんからトロフィーを受け取った。審査員を務めた書店員も、各キャラクターを選んだ理由などを話した。
ケンドーコバヤシさんは「自分も漫画に関するテレビ番組に出ているが、漫画家の皆さんに聞くと、みんな『キャラクターが勝手に動き始める』と話す。だから、今回のようなキャラクターを表彰する賞の創設はとても面白い」と期待した。
審査についても「リモートで皆さんと審査したが、けっこうもめた」と冗談交じりに話し、「皆さんの話を参考に、読んでいなかった漫画も読んでみた」と明かした。特に、『ミステリと言う勿れ』の久能整が話す言葉に心を打たれ、「おじさんこそ読むべき漫画」と薦めた。