第17回「朝の読書応援賞」受賞校は福島・只見高、YA出版会が図書107冊を寄贈

2022年3月25日

福島県立只見高等学校の図書委員

 

 ヤングアダルト向け書籍の出版社で構成するYA出版会は3月16日、第17回『朝の読書応援賞』受賞校の福島県立只見高等学校に賞状と「朝の読書応援ブックリスト」、YA図書107冊を贈った。10年間継続して「朝の読書」に取り組み、学校全体で生徒同士が本を紹介する「メッセージカード」、ビブリオバトルなどの読書活動が高く評価された。

 

10年目の節目、生徒・職員が一丸となって取り組む

 

 同校は只見町内生徒と関東方面等出身の山村教育留学生(寮生)が通う全校生徒87人4学級の小規模校。2012年から開始した「朝の読書」は今年で10年目を迎えている。

 

 只見町は伝統的に文学・読書の教育が盛んな土地柄。普段の学校生活全体の中で、図書部中心となって読書に親しむ体制を構築し、組織的・継続的に取り組んできた。

 

 生徒が相互に本を紹介する「メッセージカード」、展示図書コーナーの設置やPOP作成、図書委員による図書室のカウンター当番の実施、新刊図書案内など、生徒の自主的な活動によって図書室を運営。

 

 また、毎年、全教職員からの推薦図書を冊子としてまとめて全校生徒に配布。図書館でも展示し、生徒の読書意欲喚起に努めた。このほか、ビブリオバトルの実施や図書館を活用した授業も行われている。

 

ヤングアダルト世代に本との出会いを提供

 

 YA出版会は1979年に発足。会員社はNHK出版、河出書房新社、くもん出版、晶文社、静山社、鈴木出版、大和書房、東京書籍、西村書店、白水社、評論社、フォレスト出版、理論社の13社。

 

 「朝の読書」の実施校は2万6000校以上と運動が広がる一方で、学校図書館の蔵書不足の問題も指摘されている。そこでYA出版会は「朝の読書」運動の広がりと、さらなる発展ため、04年から書籍の寄贈を行ってきた。

 

 通常は受賞校を訪問し、セレモニー等を開催していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、今回は郵送で贈呈した。