文芸社が2007年に自費出版で刊行した『余命10年』(小坂流加著)は、今年3月の映画公開の反響で書店からの注文が殺到。同著者の『生きてさえいれば』とあわせて100万部を突破する見通しとなった。
『余命10年』は17年に逝去した著者が、余命宣告を受けながら著した作品で、当初は同社から四六判上製の単行本として1000部で自費出版された。同年に同社は四六判並製の企画出版として新装版を3000部で発売。17年には文芸社文庫NEOで文庫化した。
自費出版以来、単行本、文庫の累計発行部数は今年2月初めの時点で60万7000部(うち文庫版20刷60万部)に達していたが、映画「余命10年」が今年3月4日からワーナーブラザース配給で公開されたところ、公開前から書店からの注文が相次ぎ1カ月間で20万部を緊急重版。4月6日出来の23刷8万部で累計80万7000部になる。
また、著者のパソコンに残っていた遺作で18年に文庫で刊行した『生きてさえいれば』も4月6日出来の11刷2万部で累計25万部となり、この時点で2作合わせて105万部となる。このほか、関連書の『映画余命10年写真集』2刷累計3万部、単行本『余命10年memorialedition』3刷累計3万部(4月6日出来)を合わせると、111万部に達する。