日本広告業協会(JAAA)は3月25日、第51回「懸賞論文」の入賞・入選作品を発表した。金賞には、電通の中町直太氏が書いた「『ボトムアップの社会変革論』の確立へ~『人類のフロンティア』に対する挑戦として~」が選ばれた。
同賞は、協会会員社内における実務に根ざした主張や提言を広告業界に反映させるため、1971年に第1回の募集が開始された。51回目の今回は、「論文」の部=課題「新しい世界と広告」に26編、「私の言いたいこと一般部門、新人部門、プレゼンテーション部門の部に219編、計245編だった。審査の結果、論文から金賞・銀賞・銅賞の3作品、「私の言いたいこと」からは入選5作品が選出された。
金賞を受賞した中町氏は、作品執筆の背景として、「世界情勢が混迷を極め、資本主義や民主主義といった『これまでの私たちの世界』の大前提であった枠組みすら揺らぎつつある中で、社会は『新たな、そして大きな物語』を必要としている。この数年、世界中の頭脳が新たな思想を発信しているが、それらを社会実装できるかは、私たち一人ひとりの意識や行動にかかっている。たった一人の思いから始まる『新たな物語』をコミュニティで共有し、社会全体に拡げ、そして世界がつながる。その方法論を研ぎ澄ませていくことに、これからの広告業界の社会的な存在意義が見出せるのではないかと考えた。」と説明している。
審査員からは「コロナ禍を経て、広告の価値の再考に対し設定された『新しい世界と広告』という課題テーマに、真正面から壮大に意欲的に書き上げられている」「志の高い論文」と多くの評価を得た。表彰は、5月31日に開催予定の2022年度定時総会・表彰式で行う。金賞以外の入賞・入選者は次の通り。
●「論文」課題=新しい世界と広告
▽銀賞=大木浩士氏 博報堂広報室CSRグループCSRプロデューサー 「“新しい世界を創る人材づくり”と広告会社」
▽銅賞=金丸紀之氏 博報堂経理財務局主計部部長 「広告会社の『レイヤードリブンチームワーク』-『ステアリングクリエイティビティ』の発揮が、新しい世界での価値最大化を導く」
●「私の言いたいこと」一般部門
・第1テーマ 広告ビジネス
▽松倉俊光氏 博報堂法務室法務ディレクター、弁護士 「『クリエイティビティスクランブル』体制による新規事業創造の可能性」
▽山本洋平氏 博報堂第三ブランドトランスフォーメーションマーケティング局プラニング四部イノベーションプラニングディレクター 「ネイバーフッド6段階で物語を進めよ。~思考OS変革期の新たな広告ビジネス創出へ~」
・第2テーマ 広告プランニング
▽該当なし
●「私の言いたいこと」新人部門
・テーマ 自由
▽丹野和哉氏 メトロアドエージェンシー 営業本部第2営業局営業5部 「広告営業~押し寄せる変化と今後のあるべき姿」
▽大岩可南氏 電通関西支社ソリューション・デザイン局ビジネス開発グループ コンテンツビジネス1部アソシエイト・コミュニケーション・プランナー※応募時 「『事業共創』としてのコンテンツ・コラボレーション──新たな『推しごと』の創出に向けて、広告がすべきこと」
▽大井椋介氏 博報堂第三ブランドトランスフォーメーションクリエイティブ局 臼井チームコピーライター 「『自走するZ世代』を味方につける。」
●「私の言いたいこと」プレゼンテーション部門
・テーマ 自由
▽該当なし