岩崎書店 第36回福島正実記念SF童話賞受賞作品を発表

2022年4月8日

 岩崎書店はこのほど、第36回福島正実記念SF童話賞受賞作品を発表した。大賞受賞作品はなく、山世孝幸「未来の種」、たなひろ乃「ウサギ体験中!」、野川美保「カエルのアーチ」の3作品が佳作に選ばれた。

 

 福島正実記念SF童話賞は1983年、児童向けのSFエンターテインメント作品を書く新人作家の発掘を目的として、少年文芸作家クラブと岩崎書店がSF童話の懸賞募集として設立した。大賞作品は岩崎書店から出版される。大賞作が単行本として出版され、課題図書やベストセラーが生まれることで応募数が増え、児童文学作家をめざす新人の登竜門のひとつとなった。

 

 賞の名前となっている福島正美氏は元早川書房SFマガジン編集長で、児童向けSFの翻訳家・作家としても活躍し、日本のSF界育成に多大な貢献をした人物だ。

 

 今回の受賞に際して山世孝幸氏は「『子どもが読んで楽しいお話に』したくて書き続け、言葉遊びで生まれた『種』が原稿用紙60枚の樹に育ってくれた。その樹が、佳作に選んでいただけたことは望外の喜び」とコメント。たなひろ乃氏は「楽しんで書いた作品が佳作に選ばれてとても嬉しかった。これからも書きつづけていきたい、きちんと力をつけたいと改めて思った」と語る。野川美保氏は「この子やあの子に、どうか届け!その一心で書いた物語。(今回の受賞は)まだ半分信じられず、どきどきしている」と述べた。