集英社 評伝によるアジア通史全12巻 『アジア人物史』12月刊行開始 創業95周年記念企画

2022年4月8日

 集英社は創業95周年記念企画として、姜尚中氏の総監修による全編書き下ろしの評伝による本格的アジア通史『アジア人物史』(全12巻+索引巻)を、12月1日から刊行開始する。全巻カバーイラストを漫画家の荒木飛呂彦氏が描き下ろす。

 

第1回配本の7巻、8巻の表紙

 

 同社は2021年に創業95周年を迎えた。『アジア人物史』は現代のアジア史研究の第一人者である編集委員10名と、東洋史研究の継承した研究者が参加し、170名を超す研究者が古代から21世紀までの総勢1万名にのぼる登場人物の評伝を掘り起こす。第1回配本は第7巻「近世の帝国の繁栄とヨーロッパ」、第8巻「アジアのかたちの完成」を同時発売する。

 

 第7巻ではイスマーイール1世、スレイマン1世、エヴリヤ・チェレビー、アクバル、ザビエル、豊臣秀吉、光海君、李舜臣、李滉、李珥、鄭成功、康熙帝、黄宗羲、ダライ・ラマ6世、ニャウンヤンなど。第8巻では羽地朝秀、雨森芳洲、徳川吉宗、荻生徂徠、李瀷、乾隆帝、阮恵、阮福暎、ハイダル・アリー、ラームモーハン・ローイ、ミドハト・パシャ、中央アジアの知識人群像、容閎、西太后、袁世凱などを取り上げる。

 

 また、第7巻には田中優子(法政大学名誉教授、前総長)、第8巻には浅田次郎(作家)による「月報」エッセイを付す。

 

 以降の巻は、第1巻「神話世界と古代帝国」、第2巻「世界宗教圏の誕生と割拠する東アジア」、第10巻「民族解放の夢」、第11巻「世界戦争の惨禍を越えて」、第4巻「文化の爛熟と武人の台頭」、第3巻「ユーラシア東西ふたつの帝国」、第5巻「モンゴル帝国のユーラシア統一」、第6巻「ポスト・モンゴル時代の陸と海」、第9巻「激動の国家建設」、第12巻「アジアの世紀へ」。

 

 編集委員は青山亨(東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授)、伊東利勝(愛知大学名誉教授)、小松久男(東京大学名誉教授)、重松伸司(追手門学院大学名誉教授)、妹尾達彦(中央大学教授)、成田龍一(日本女子大学名誉教授)、古井龍介(東京大学東洋文化研究所教授)、三浦徹(お茶の水女子大学名誉教授)、村田雄二郎(同志社大学教授、東京大学名誉教授)、李成市(早稲田大学教授)の10氏。

 

 総監修の姜尚中氏は「私たちは、一冊の中に全地域の人物群を万遍なく配し、小宇宙同士を越境的に繫ぎ、第一巻から最終巻まで概ね時代順に配列した。こうした構成から、縦割りの地域史とは違う“アジア通史”とでもいうべき像が、自ずと浮き彫りになるだろう。東洋史研究の厚みを継承する人々の力を結集したこの試みが、異なる文化圏、言語圏の読者にも共有される日が来ることを願ってやまない」とコメントを発表している。

 

 各巻四六判上製/800ページ前後/発売記念特価予価3960円(税込)。