ベネッセコーポレーションの妊娠・育児雑誌『たまごクラブ』『ひよこクラブ』の月刊2誌は4月から、妊娠から子どもが誕生し1歳代を迎えるまでのステージに合わせた6誌と、日々情報を届けるアプリを組み合わせた「パーソナライズ」メディアに生まれ変わる。
同誌は1993年に創刊したこの分野のトップ誌。来年創刊30周年を迎える。
これまで妊娠から2歳までの約1000日間に向けて、月刊2誌と、妊娠初期向けのムック『初めてのたまごクラブ』、1歳代の『1才2才のひよこクラブ』の増刊2誌を提供してきたが、リニューアルでこの期間を6つのステージに分け、妊娠期3誌、育児期3誌の季刊6誌体制となる。
6誌は妊娠初期(2~4カ月)の『初めてのたまごクラブ』、妊娠中期(5~7カ月)の『中期のたまごクラブ』、妊娠後期(8~10か月)の『後期のたまごクラブ』。そして育児期は生後0~3か月の『初めてのひよこクラブ』、4~7か月の『中期のひよこクラブ』、8カ月~1歳代の『後期のひよこクラブ』。
すでに3月15日、リニューアル版『初めてのたまごクラブ春号』を発売し初速は好調。4月に残り5誌を一斉に発売。各紙は季刊のペースで、その後は6月以降毎月2誌ずつ発売していく。
判型はこれまでよりコンパクトにし、表紙には「妊娠2・3・4カ月」など購入時期がわかる表現を入れるが、多くの情報は盛り込まずにシンプルなデザインにする。また、6誌すべてにグッズ付録が必ず付くなど祝福感を提供。家族がプレゼントとして贈ることも想定している。
さらに、いまも多くの妊産婦が利用するというアプリ「まいにちのたまひよ」で日々情報を提供し、利用者が情報を登録すれば、それぞれの時期に合わせて手に取るべき雑誌を知らせるといった機能も備える。
同社K&F(Kids&Family)カンパニーたまひよメディア事業部の米谷明子氏は、やがて妊娠・出産の時期を迎えるZ世代について、「若い世代は定期的な雑誌を買う習慣がない人も多く、自分でタイミングに合わせて欲しい情報を得ている。これまでの毎月買ってもらうという売り手側の事情ではなく、よりパーソナライズしたメディアにすることで次世代のニーズに合わせていく」とリニューアルの目的を話す。
リニューアルに伴い、書店店頭では常に6誌が平積みされている状態を目指す。そのため、主要書店法人に対しては昨年から随時説明会を実施し、2500店舗ほどには事前指定で配本する。店頭展開用の什器を作成している。
米谷氏は「媒体を増やすことで、6つの成長期にお客様を祝福するメディアになる。すでに、自分にフィットする時期のたまひよを見つけ、これから発売する雑誌への予約も入っている」と期待を示している。