澪標(大阪市・松村信人社長)はこのほど、大阪市制100周年記念事業として発表されてから約40年を経て、今年2月にオープンした大阪中之島美術館(大阪市北区)に対して、有識者や文化人による応援メッセージをまとめた『待ってたぞ!美術館 大阪中之島美術館開館によせて』(中之島芸術文化協議会・編)を発刊した。
新美術館では、19世紀後半から今に至る国内外の代表的な絵画、版画、写真、デザインなど幅広い分野の作品を所蔵。モディリアーニや佐伯祐三など、地元大阪をはじめ4900点を超える寄贈作品、購入作品を合わせると6000点を超えるコレクションを揃える。
大阪は市民が中心となってつくられた文化施設が多いにもかかわらず、その連携に課題を抱えているとし、中之島のブランディングや地域の活性化を目指す「大阪市中之島美術館を考える会」のメンバーをはじめ、95の応援メッセージや意見を収録。
「美術館が核となり、大阪文化や都市の再構築を目指して欲しい」「新しい企画で人が集まる文化拠点に期待したい」「お笑いや粉もんだけでなく、2025年開催の大阪万博を見据えて発信力を高めてほしい」など、関心の高さがうかがえる内容に仕上がった。
澪標・松村社長は、「関西圏のみならず、関東や四国ほか広くの地域から、美術館や官公庁関係者だけでなく一般の人の購入が想定を上回っている。書店では、大阪本や観光、美術コーナーなど広く目に触れる展開をお勧めしたい」としている。【櫻井俊宏】