毎日新聞社と子会社の毎日新聞出版は、日本及び世界経済の分析に優れた著書を表彰する「第62回(2021年度)エコノミスト賞」に、小倉義明・早稲田大学政治経済学術院教授の「地域金融の経済学」(慶応義塾大学出版会)を選出し、5月12日に東京都内で受賞式を行った。受賞作は、地域金融機関が地域社会とともいかに生き延びていくかを統計データなどに基づいて丹念に分析した作品で、筆者の小倉教授には賞状と賞金100万円、記念の楯が贈られた。また、出版元の慶応義塾大学出版会には賞状が贈られた。
1960年に創設されたエコノミスト賞は、経済について実証的・理論的分析に優れた作品に授与され、「経済論壇の芥川賞」と呼ばれている。
受賞式では毎日新聞社の松木健社長が「過去の受賞者のみなさんも各方面で活躍されている。この賞が、日本の経済論壇の評価を高める一助になるよう努めていきたい」とあいさつ。毎日新聞出版の小島明日奈社長が、小倉教授と慶応義塾大学出版会の依田俊之社長に表彰状を手渡した。
小倉教授は受賞式で「経済学の論証は、積み重ねることでインパクトが生まれる。フィンテックなどの新しい事象についても、基本に立ち返ってわかりやすく説明することを考えた」などと受賞の喜びを述べた。また、慶応義塾大学出版会の依田社長は「長い歴史を持つエコノミスト賞を受賞できたのは、出版社としても大きな喜び」と話した。