梅田蔦屋書店(大阪・北区)の人文コンシェルジュで、本と人とをつなぐ「読書室」を主宰する三砂慶明さんによる編著書『本屋という仕事』が6月20日、世界思想社(京都市)から発刊される。
繰り返されるコロナ感染拡大の中で、大きな影響を受けた本屋の仕事や価値を問い直すため、三砂さんが全国各地の書店員へ、「はじめること」「つづけること」「ひろげること」の3つのテーマを問いかけ、それぞれの立場で自身の「仕事」という視点から本屋を見つめなおす。
本や本屋に対する礼賛ではなく、なぜ本屋をはじめたのか、本屋を続ける楽しみや苦労、本屋で働くことを通じてどのような価値を生み出しているのかなど、本屋を仕事とする本質的な問いに、書店員らが真摯に応える。
三砂さんは、「本屋の数だけ、本屋で働く人の数だけ、その考え方ややり方があり、私自身も影響を受けてきた。基本を大切にぶれない人、新しい読者を獲得するために考え実践し続けている人、来店されるお客様の声に耳を傾け、それを本棚につなげている書店員がいる。多くの人が今までとこれからの仕事を見つめ直すきっかけになれたらうれしい」とし、「書店員はもちろん、本や本屋ファン、さらにこれから新しい仕事に挑戦しようという人にも勧めてほしい」としている。
なお、本書の刊行を記念して6月18、19の両日、梅田蔦屋書店で本と本屋のこれからを考えるための4回連続ブックトークを開催する。詳細は梅田蔦屋書店(umeda_event@ccc.co.jp/06-4799-1800)まで。【櫻井俊宏】