株式会社NHK出版が7月25日に刊行する平田オリザ著『NHK出版 学びのきほん ともに生きるための演劇』は、紀伊國屋書店の全従業員を対象とした「NHK出版がこんな本を作ったら売れるぞ!」企画募集コンクールで選ばれた最優秀企画賞を出版した。
両社のコラボは2018年11月に紀伊國屋書店・藤則幸男副社長とNHK出版・田中伸一取締役(当時)などが会食した際に話が出たのがきっかけとなり、その後の両社打ち合わせでコンクール企画の実施が決まった。
20年12月中旬には紀伊國屋書店和書販売促進部が事務局となり、全従業員に社内イントラでコンクールの応募要項を発信。21年3月末日の応募締め切りまでに283件の応募があった。
紀伊國屋書店内での一次選考、NHK出版での選考を経て、「最優秀企画賞」に中部営業部・土井一輝氏の企画「日本(人)にとって演劇とは何か」を選出したほか、「優秀企画賞」3点、「特別賞」6点の入賞作計10点を決定。21年9月3日には紀伊國屋書店本社で表彰式を開催した。
土井氏の企画は、21年に日本で初の演劇が学べる国公立専門職大学(芸術文化観光専門職大学)が設立されることから、演劇教育に視座を据え、誰もが手に取れる演劇の入門書を作りたいという企画趣旨で提案。
土井氏は企画書で「紀伊國屋ホール・紀伊國屋サザンシアター、紀伊國屋演劇賞という歴史ある文化事業と、出版/書店を交差させない手はない。NHK出版は趣味分野の書籍にも強みがあり、親しみやすさの後押しにもなる。何よりコロナ渦でシーンが壊滅的な打撃を受けた今、演劇の意味を問い直し、支えていく一端を担いたい」と述べた。それを受けてNHK出版が具体的な章構成を著者の平田氏に提案、執筆を打診し、刊行の運びとなった。平田氏は日本で初めて演劇やダンスを本格的に学べる公立大学として設立された芸術文化観光専門職大学の初代学長。
同書は「NHK出版 学びのきほん」シリーズ19作目。同シリーズは、「生きた学びを手に入れる」をコンセプトに19年3月に創刊。不定期刊行のムックとして全国書店に配本しており、現在18点刊行し累計発行部数は間もなく40万部。
□A5判並製/120ページ/定価737円