丸善ジュンク堂書店は、福音館書店が1989年に刊行し、33年経った現在も人気を博すロングセラー絵本『こんとあき』(林明子)のオリジナルグッズを発売し、当初の計画を上回る売れ行きを見せている。
同社は、絵本のキャラクターをモチーフにしたグッズ専門店「EHONS」を昨秋に東京、今夏は大阪にオープンするなど拡大を図っている。一般に流通する絵本グッズとは別に、児童書や文具担当などで構成する「EHONSチーム」がオリジナルグッズの開発にも力を入れ、これまで6組の絵本作家・15作品のグッズを世に出し、新たに『こんとあき』商品がラインナップに加わった。
丸善ジュンク堂書店・EHONS仕入販売担当の奥村純子さんは、開発対象に同作を選んだ理由について「数あるロングセラー絵本の中でも、多くのファンに愛される一冊。グッズを通じて絵本の魅力を新たに掘り下げ、さらに多くの読者に広めることができるという点から選出した」と話す。
『こんとあき』グッズは、ハンカチーフやコンパクトミラー、マスキングテープ、マグカップなど多彩。なかでも木製スタンプ、メモパッド・スクエア、アクリルキーホルダーが人気だという。
6月23日から大阪・北区のEHONS UMEDAで先行販売。30日から、同社系列全国73店で展開をスタートしたが、当初計画の2倍以上の売り上げで推移し、絵本『こんとあき』も動き出し、前年比230%を叩き出した。
奥村さんは「主人公あきちゃんの一番の理解者として、寄り添い続けるぬいぐるみ『こん』は無くてはならない存在。私たちと絵本の関係に似ている。親から子、祖父母から孫へ三世代に渡り、長く読み継がれる絵本の奥深さを感じてほしい」とコメントしている。【堀雅視】