創元社 好評の絶滅危惧植物 ガイドブック第2弾刊行

2022年9月20日

 

A5判並製/240㌻/2200円(税込)

 

 創元社は9月13日、絶滅に瀕した植物のガイドブック『さらに知っておきたい日本の絶滅危惧植物図鑑』(長澤淳一/瀬戸口浩彰)を発刊した。

 

 同書は、20年4月に刊行し、同様の専門書に比べ手軽な価格や分かりやすい解説で好評3刷の『知っておきたい日本の絶滅危惧植物図鑑』の続巻。年々増加する日本の絶滅危惧種の半分以上を植物が占めることはあまり知られておらず、キキョウやサクラソウ、ランの仲間など身近に名前を聞く植物でも絶滅危惧種となっている現状をまとめた。

 

 2作品とも希少種約100種を収録。著者の長澤氏は元京都府立植物園園長で、絶滅危惧種の調査・保護・増殖をライフワークとし、その過程で撮影した写真を掲載しており、花の姿や生育環境も理解しやすい。

 

 また、本書では維管束植物以外に、蘇苔類(コケ植物)や菌類(キノコ類)なども取り上げ、それぞれの専門家が解説を執筆。絶滅危惧種のホットスポットともいわれる小笠原諸島や奄美群島など、世界自然遺産の島々に生息する希少な固有植物や、外来動植物に侵食される実情を伝えるレポート(瀬戸口氏)も掲載している。

 

 同社編集局企画開発部の橋本隆雄課長は、「植物ビギナーから愛好家、学生など幅広い人に手に取ってもらいたい。書店では自然科学、植物のコーナーのほか、SDGsの関連本としてもぜひお勧めしてほしい」と推奨している。【櫻井俊宏】