日経BPは9月6日取次搬入で、稲盛和夫著『経営12カ条』(日本経済新聞出版)を刊行した。同社は書店注文状況から、9月1日に1万部の発売前重版実施し、2刷3万5000部となった。その後、発売から週末までの売上を見て、12日に2万部、さらに13日と20日には各1万部と5刷まで版を重ね、累計発行部数は7万5000部に達した。
同書を含めた稲盛氏の経営3部作では、これまで第1部『稲盛和夫の実学』が72刷67万部、第2部『アメーバ経営』が42刷32万3000部発行され、第3部の完結編にあたる本書と合わせると、累計発行部数は紙書籍のみが105万8000部、電子版も含めると107万2000部となる。今回の新刊刊行と連動して、第1部・第2部もそれぞれ増刷した。
Amazonランキングでも、稲盛氏の訃報が報じられた直後から、同書の予約ランキングが100位以内に上昇。発売後には50位以内になり、同社が9月11日の日本経済新聞と12日からJR東交通で広告を掲出したことで6位にまで上昇した。
書店でも全国的に売れており、特に東京・大阪での売れ行きが好調。その反響を踏まえ、同社は10月10日からJR東交通、また全国紙で再度広告を展開し、JR西交通でも10月1日から1ヶ月間広告を実施。その後、ブロック紙・地方紙でも広告を掲出し、全国的な認知度の拡大を図る。
稲盛氏の著書について、同社の編集担当者は「本書は経営哲学の集大成という位置づけにあたる。経営3部作では『稲盛和夫の実学』は会計原則、『アメーバ経営』は経営管理手法。どれも経営書という点が共通している」とシリーズの特徴を語る。