一般社団法人日本出版インフラセンター(JPO)は9月27日に開いた理事会で、出版情報登録センター(JPRO)のさらなる進化に向けて、書店員や図書館員が閲覧できるポータルサイト「BooksPRO」の販売促進情報を改修すること、日本出版販売(日販)とトーハンの取次会社、電子取次会社の協力で既刊情報が新たに投入されることなどを報告した。これらのことを、10月12日にリアルとオンラインで開催する出版者向け説明会「JPROの充実とさらなる進化、その利活用の提案」で紹介する。
JPROは、出版社から出版情報を登録してもらっているが、それを補完するために日販とトーハンから、既刊の全データをもらえることが決まった。現在、JPROに入っている書誌情報は280万件ほどだが、重複を除いて100万件ほどが追加される。1920年代くらいの書誌情報も含まれているという。これらは一般向け検索サイト「Books」や、書店、図書館向けの「BooksPRO」でも検索で表示されるようになる。
また、電子書籍の分野で電子取次の株式会社モバイルブック・ジェーピーとの連携も深めることになった。
さらに、「BooksPRO」を使う書店の利便性を高めるため、出版社からの販促情報についてもフリーワードで検索できるようにした。例えば、静岡県内の書店が地元紙の「静岡新聞」に掲出された出版広告の情報や、同紙に載った書評などの情報を見ることができるようになる。新聞広告掲載情報や受賞情報、重版情報、拡材などに加えて、メディアで紹介された本の情報なども1時間ごとに更新されるという。
こういった新しい機能について、説明会で報告する。そのほか、日販やトーハン、PubteX社からの事業説明などもある。
JPRO出版社向け説明会
〈開催日時〉2022年10月12日(水)14:30~16:30
〈開催方法〉リアル・オンライン(Zoomウェビナー)併用
〈会場〉一橋講堂(東京都千代田区一ツ橋2-1-2学術総合センター内)
〈主なプログラム〉(予定)
▽開会あいさつ=相賀昌宏JPO代表理事(小学館取締役会長)
▽JPROの将来像、今後の出版インフラの課題=田中敏隆JPRO管理委員会委員長(小学館取締役)
▽「Books」の新たな役割─JPRO「マルチコンテンツ」・電子書誌対応で著者・出版社の利益をどう守っていくか?=JPRO管理委員会佐野洋(講談社販売局次長)
▽「BooksPRO」活用─販促情報改修、JPROジャンル拡張=JPRO管理委員会栗原真史(KADOKAWA営業企画局局長)
〈ゲスト〉
▽トーハン齋藤貴常務=「新プラットフォームenCONTACTにおけるJPRO・BooksPRO活用」
▽日本出版販売中西淳一常務=「日販のJPROデータの活用と取り組みについて」
▽JPO書店マスタとJPROの受信を開始したPubteX社から事業説明
▽閉会あいさつ=安西浩和JPO理事(日本出版販売副社長)