有隣堂 本部・全店舗の社員にスマホ支給 業務効率化や情報共有などに活用

2022年10月26日

 株式会社有隣堂はこのほど、本部と全店舗の社員にスマートフォンを支給し、業務の効率化や情報共有、顧客対応に活用するなど書店業務のDXを推進する。株式会社文化通信社が提供するデジタルチラシ配信サービス「BookLink」が10月末にスマートフォンに対応することから、店頭や本部でのFAX削減にも取り組む。

 

まずはビジネスチャットツールを使った情報共有に着手

 

 同社は 2018年に本部の一部スタッフと各店舗に1台、大型店には2台ずつの計70台ほどのスマートフォンを支給したが、今年9月に本部と全店舗の社員と一部契約社員に計200台を支給。10月から運用を開始し、まずはビジネスチャットツール「LINE WORKS」を利用して日報や店舗情報の共有などでの利用が始まっている。

 

 スマートフォン支給の目的について同社店売事業本部店舗運営部・磯野真一郎部長は、①情報共有の質と頻度を高める②現場の業務を効率化する③顧客サービスの質を高める―と説明。「書店が売り上げ、利益を上げていくためには、現場の仕事を変えていかなければならない。そのためのインフラとしてスマートフォンを使うのは当然という流れにしていきたい」という。

 

「BookLink」でFAX削減も

 

 磯野部長はこれまでスマートフォンを支給してきた本部と店舗では、毎日の日報を管理職や経営層が即座に共有できること、お客からの問い合わせが入る店舗の電話を使わずに電話を掛けられること、グループでビデオミーティングによる打ち合わせなどが容易にできることなどのメリットを挙げる。

 

 今回の支給によって、まずこうした利用方法を全店舗社員に広げていくとともに、店舗の状況や販促の取り組みなどを共有したり、SNSなどによる情報の収集や発信などにも取り組む。また、「BookLink」について磯野部長は「時間と手間がかかっているFAXの処理を、スマートフォンを使うことで改善したい。それによって、中小規模の店舗から順次FAXを外していきたい」と話している。

 

 今後はアプリを開発するなどして、検品や売上データの確認、棚番登録・変更、勤怠管理、アルバイトのシフト管理など業務効率化や、店頭での在庫確認など顧客サービスに活用していくことを検討している。