共生社会の実現への道筋を考える毎日新聞創刊150年記念のオンライントークイベント「毎日共生会議2022」の2回目「乳がんについて考えておきたいこと」が10月14日、開かれた。アートネイチャーとトヨタ自動車が協賛。評論家の荻上チキさんが司会を務め、乳がんの経験を持つ芸人のだいたひかるさん、国立がん研究センター東病院でがん専門相談員を務める坂本はと恵さん、毎日新聞くらし医療部の下桐実雅子記者の3人が意見を交わした。
10月は乳がんの早期発見・早期治療の大切さを啓発する「ピンクリボン運動」の強化月間。だいたさんは「乳がんになっても私のように妊娠、出産できると知ってほしい」と話し、坂本さんは「がん治療の副作用を周囲に理解してもらいながら仕事を調整することが課題になっている」と現状を語った。下桐記者が日本の検診率が約47%と欧米に比べ低いことを解説すると、荻上さんは「医療や保険が充実しているのに、なぜ検診につながりにくいのか。幅広い制度設計が必要だ」と問題点を指摘した。
毎日新聞は共生社会の実現を目指して特集面「ともに面」を毎月掲載するほか、5人の有識者と主筆で構成する「毎日ユニバーサル委員会」を設けて提言をもらうなどの取り組みを続けている。毎日共生会議は年4回実施の予定で今年4月に始まった。今後も「障害者スポーツ」などをテーマに開く予定。