絵本作家・よしだるみさんの初エッセイ刊行 エディション・エフ

2022年11月15日

 

B6判変型/224㌻/1760円(税込)

 

 エディション・エフ(京都市、岡本千津社長)はこのほど、絵本作家・よしだるみさんの初のエッセイ『ルルオンザルーフ』を発刊した。よしださんは『よしだるみの どうぶつのかぞくえほん』シリーズ(国土社)、『あめあがりのしゃぼんだま』(福音館書店)など、色鉛筆やクレヨンを使った優しい画風で人気が高まっている。

 

 本書は、絵本と同様に繊細で柔らかく素朴な表現で、たくさんの小さな幸せを積み重ねてきた夫との日常が描かれる。ちょっとした気遣いの言葉、それぞれの価値観を確かめながらともに歩く姿、身の回りの自然へ向けられる眼差し、そして、いつも隣にいて絵本の創作をサポートしてきた夫との別れ。

 

 刊行後は著者の絵本ファンをはじめ、「一つひとつのエピソードが小さな美しいドラマ」、「ずっと手元に置きたい大切な本になりました」といった声など多くの反響が寄せられている。よしださんは「夫と二人で作ったお話がまだあるので、少しずつ形にしていくことが今いちばんやりたいこと」という。

 

 巻末には、『新聞記者』『余命10年』などの映画監督で、よしださんの弟・藤井道人さんが、姉と義兄への敬慕あふれる文章を寄せている。エディション・エフの岡本社長は「 『よしださんが目の前でしゃべっているよう』といった感想も届いている。著者関連の絵本との併売を強くお勧めしたい」としている。【櫻井俊宏】