株式会社徳間書店は、11月26日、東京・品川区の本社にて、アメリカ『オレンジ・カウンティ・レジスター』紙の記者でメジャーリーグ・エンゼルス番を10年務めるジェフ・フレッチャー氏を迎えてトークイベントを開催した。
フレッチャー氏は、ルーキーイヤーから大谷翔平選手に1460日密着し、満を持して書き上げた『SHO―TIME 大谷翔平 メジャー120年の歴史を変えた男』を7月12日に上梓。同本は日米同時発売され、日本では11月26日現在、6刷・4万5000部に達している。初来日記念となるトークショーの観覧募集についてツイッターなどで知らせると、50人の枠に応募が殺到。2時間で満席となったため、急きょ約100人に席を増やしての開催となった。
当日は、NHK BS1 「ワースポ × MLB」のキャスター・山本萩子氏が司会を、同書の翻訳を手がけたタカ・大丸氏が通訳を務めた。トークショーでは、2018年に大谷選手がメジャーへ来たときの印象をはじめ、ケガやトミージョン手術などを克服した後の21年の大躍進、今年のヤンキース、ジャッジ選手とのMVP争いまで、具体的な数字やエピソードを交えながら語った。
フレッチャー氏は、「日本では10勝という数字が注目されていたが、ベーブ・ルースは13勝していたので、さほど大騒ぎにはなっていなかった。ただ、ピッチャーが投げたのと同じ日にホームランを打ち、勝利に導いたことのほうが大きなニュースになっていた」と現地での様子を語り、MVPについては、「もし私に投票権があれば、当然大谷選手に投票した。彼はそれだけのことをやっていた」と述べつつ、投票する記者の多くが、プレーオフに進出する=勝っているチームに選手が所属していることを投票の際に重視する傾向があるとも語った。
22年シーズンの大谷選手についていちばん評価している点をたずねられると「ピッチャーとしての進化」と答え、「プロのピッチャーは、ふつうシーズン中に新しい球種は出さない」と今年話題となった新球〝ツーシーム〟のすごさについても振り返った。来シーズンの大谷に期待することは「私の独断と偏見」としながら、「打者でホームラン40本、打率2割7分5厘、110打点、投手で16勝、防御率2.50。それくらいを残してほしい」と語り、この成績を残せばMVPを取るべきだと締めくくった。
トークショーの後は、フレッチャー氏が参加者とメディアからの質問に回答。その後、大谷選手のメジャーリーグ公式グッズやTシャツが抽選で参加者にプレゼントされた。また、書籍のサイン会と記念撮影も行われ、会場は参加者たちの熱気に包まれていた。