日販グループホールディングスのグループ会社で出版社向けシステムを開発販売する日販テクシード株式会社は12月1日、紙の出版物に加え、電子書籍、グッズ、広告、版権などを一元管理でき、直接販売などにも対応するクラウド型出版社システム「CONTEO(コンテオ)」の先行稼働を開始した。一般提供は23年1月からの予定。
「CONTEO」は、紙の出版物を含む多様なコンテンツについて、自社商品・他社商品を問わず取り扱うことができる。登録されたコンテンツは紐づけが可能で、紙の出版物から派生した電子書籍やグッズ、版権を紐付けてコンテンツ単位での販売管理ができるほか、紙書籍と電子書籍一括での印税管理なども可能になる。
また、取次以外のECサイトや電子書店、直販といった販売チャネルの統合管理に対応。多様な販売チャネルを想定した販売管理機能、各取引先からの受注データ・売上データ・入金データの取込機能も実装することで、チャネルの区別なく販売実績を管理できる。
クラウドサービスにより、インターネット環境があれば各種ブラウザで利用できるため、在宅勤務や外出先での利用が可能で、制度改正の対応にかかる開発・運用コストなども削減できる。合わせて、不正アクセスの防止やストレージ・通信の暗号化といったセキュリティ対策など堅牢なインフラ環境を構築。クラウドサービスの開発・運用プロセスにおいては、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格「ISO/IEC27001」に準拠している。
導入にあたっては、各社の要望に合わせたデータ移行や、カスタマイズなど、専任のチームによるサポート対応を実施する。
合わせて、出版社の業務効率化を支援するDXサポートパックの提供を開始する。書店等からのFAX注文や電話注文などのデータ入力を代行するサービスを提供するほか、IT機器の調達や保守、各種ソフトウェアの導入・設定、資産管理、セキュリティ対策などのITサポートを提供。また、将来的にAIを活用した各種分析機能の追加を検討しており、稼働要件に同意する出版社向けに簡易分析を行うAIプログラム(β版)の試用を開始する。
同社は2006年から販売管理システム「出版社システムLEAD」を提供してきたが、商材やビジネスモデル、販路の多様化に対応すべく、「プロジェクトCONTEO」を立ち上げ、第1弾として新パッケージシステム「CONTEO」の提供を開始。12月は一部の出版社で先行稼働し、23年1月から本格的な販売を開始する。
名称はコンテンツと〇(環)を合わせた造語で、「コンテンツをつなげる」ことを意味している。