サウザンブックス社(東京都渋谷区)は、日本のLGBTQアクティビズムの歴史についてまとめた書籍『LGBTヒストリーブック日本運動史編』の出版をめざすクラウドファンディングを現在実施している。期間は1月31日(火)まで。目標金額は230万円、オール・オア・ナッシング方式のため、目標金額に達した場合のみ、出版が実現することとなる。
サウザンブックスは、2016年に設立されたまだ新しい出版社。主に、海外で販売されている書籍の中から日本へ紹介したい作品を厳選、クラウドファンディングを活用して出版している。
まず購読希望者を募り、目標金額をクリアした書籍のみ、翻訳・出版するというシステムだ。少数ながら、日本語によるオリジナル書籍の制作も行っており、今作の『LGBTヒストリーブック日本運動史編』は日本人2人による共著。
編著の山縣真矢さんと後藤純一さんは、共に日本のLGBTQに関連する活動に長年関わったり執筆したりしている編集者兼ライター。山縣さんは、2019年にサウザンブックスから出版し、増刷もされている『LGBTヒストリーブック 絶対に諦めなかった人々の100年の闘い』の編集も担当している。
今作の出版が実現すれば、サウザンブックスの「PRIDE叢書」シリーズの12作目として発行される予定だ。PRIDE叢書は、LGBTQに関連する書籍の表紙まわりにレインボーのロゴを配置した同社が力を入れているシリーズ。近年、多方面でLGBTQへの認知・関心が高まっているが、サウザンブックス社の代表取締役社長 古賀一孝氏によると、まだまだ十分とは言えないようだ。
古賀氏は「LGBTQ+に注目している人は多く、ニーズも高い」と感じているが、「社会的関心が高まる一方で、まだまだ悲しいことや腹立たしいニュースも続く」とし、「海外の話だけでなく、日本国内でこれまでに起きたエピソードや戦ってきた人々を紹介することで、当事者をよりエンパワーメントし、社会の理解をいっそう促すことに繋げていきたい」と本作への思いを語った。
『LGBTヒストリーブック日本運動史編』/予価2860円(税込)