竹林館(大阪市・左子真由美社長)は昨年12月、モンゴル日本外交関係樹立50周年記念出版『風の虜になって―モンゴルと私』(佐藤紀子著)を発刊した。
著者の佐藤さんは、15年にわたってモンゴル名誉領事を務め、現在はモンゴル文化大使として同国の様々な問題に取り組んでいる。モンゴルが民主化され、市場経済へ移行した90年以降、石けん作りの指導や学校建設、緑化運動などの環境問題にも取り組み、同国訪問は230回を数える。さらに、モンゴル国立馬頭琴交響楽団の招聘ほか遊牧文化の美しさ、豊かさを伝えてきた。
本書は多くの人々との交流、佐藤さんの熱意と実行力を紹介している。竹林館・左子社長は、「モンゴルに興味のある人はもちろん、一人の女性の一代記としても興味深く、これから何かを始めようとする方々にも大変参考になる。一部、モンゴル語での表記もあり、在日モンゴルの方、モンゴル語を学ぶ方にもおすすめしたい」という。書店に向けて、「『活躍する女性」』やアジアの特集コーナーのほか、本書では一市民が国家的事業をなし得た体験が綴られており、多くの人にとって励みとなる本として紹介してほしい」と推奨している。【櫻井俊宏】