新星出版社は3月3日取次搬入で、創業100周年記念出版企画『ビジュアル大事典』(DK社編著)を刊行する。初版部数は7000部、定価9680円(税込)。同書は発売から約3カ月間、特別販売協力金を設定し、書店の収益改善を支援する。さらに「料理レシピ本大賞 in Japan 歴代入賞レシピ本フェア」を3月9日搬入で展開。このほかにも「新星出版社100点フェア」などの店頭企画を予定している。
特設サイトをオープン、老舗出版社“100年のあゆみ”
同社は1923年10月、和歌山県から上京した富永龍之助氏が「富永興文堂」として創業。関東大震災の状況を記した『関東大震災大見立一覧表』(震災被害番付表)が大きな注目を集めた。
震災からの復興を願って童話、絵本、漫画、歌本などの出版を開始。当時の著者には野口雨情や西条八十など、著名な童謡詩人が名を連ねている。その後、第二次世界大戦の混乱期を乗り越え、57年に「株式会社新星出版社」と改称し、資格書・実用書分野での本格出版に着手した。
現在の同社は生活実用書をはじめ、健康書、スポーツ入門書、児童書、ビジネス実用書、語学入門書、資格試験問題集など、多くのジャンルを手掛ける老舗出版社に成長。2023年1月には100周年の記念ロゴを発表し、公式ホームページで特設サイトをオープンした。
著者や書店・出版関係者のコメントを公開するともに、社史を振り返る年表や、その当時に刊行した出版物の書影や資料を紹介。さらに小冊子「100年のあゆみ年表」、記念ロゴ入りの名刺や卓上カレンダーなどを制作し、創業100周年のピーアールに取り組んでいる。
すべての「知りたい」を一冊に、フルカラーの百科事典
100周年記念出版で刊行する『ビジュアル大事典』は、歴史的に貴重な画像とイラストで身近な7つのテーマをビジュアル化し、36項目に分けて解説したフルカラーの百科事典。高校生から大人までの「知りたい」ことを凝縮した生涯学習におすすめの一冊となっている。
営業本部の川崎誠次長は「昨年の夏から書店外商向けの大型企画に新規参入し、培った弊社の営業ノウハウ、外商に適した単価の設定などが今回の記念出版に反映されている。プレゼンを実施した外商本部・グループからは、繁忙期の教科書販売に先行して、もしくは落ち着いた時期にもトライしたいと心強い声をいただいた」と手応えを語る。
そのうえで、「外商のみならず、専門性の高い書籍を扱う全国の書店にも提案していく。『ビジュアル大事典』は書店を支援する特別報奨企画ともなっている。収益改善の一助になってほしい」と述べた。
特別報奨は発売日から5月31日までの期間、1冊売り上げにつき販売協力金1000円(税抜)を支払う。条件についての問い合わせなどは、同社営業本部(電話=03-3831-0743)で受け付けている。
歴代の入賞作が並ぶ「料理レシピ本フェア」
3月から6月にかけて開催する「料理レシピ本大賞 in Japan 歴代入賞レシピ本フェア」は、同賞の入賞作品を集めたフェア企画。対象書籍購入者100名に図書カード1000円分が抽選で当たるキャンペーンも実施する。
川崎次長は「書店からの反響が素晴らしく、全国の書店450店舗以上でフェアを実施する予定だ。新生活シーズンの3月は、料理の季節始めとなる。ぜひ弊社の料理レシピ本で店頭を賑やかせてほしい。締切日は過ぎているが、特約店で申し込みを忘れてしまった書店は気軽に問い合わせてほしい」と呼びかけた。
料理書の実績が豊富な同社は、第2回料理レシピ本大賞で『ラクうまごはんのコツ』が料理部門大賞を受賞。第6回で『作りおき&帰って10分おかず336』、第8回で『野菜はスープとみそ汁でとればいい』などが入賞に選出されている。フェアはAセット(7点、計35冊)、Bセット(4点、計20冊)のラインナップに、販促用のA4パネルと読者プレゼントキャンペーンの専用帯が付く。
このほか、ジャンル横断の100周年記念「新星出版社100点フェア」を8月下旬から展開予定。また、紀伊國屋書店の電子書籍アプリ「Kinoppy」で1月27日~2月9日の2週間、新星出版社の人気電子書籍ベスト100(2022年)が30%OFFになるセールを実施している。
川崎次長は「弊社スローガンの『みんなの難しいを、カンタンに。』を追求し、何が読者に響くのか、店頭を盛り上げる試行錯誤を続けていく。企画やフェア、ロングセラー商品の増売で書店・取引先との協力を深め、力強くプッシュする100周年にしたい」と意気込んだ。