「文学によるまちづくり」に力を入れている岡山市で、2月25日から約2週間にわたって「おかやま文学フェスティバル2023」(岡山市・岡山市文学賞運営委員会・瀬戸内ブッククルーズ実行委員会主催)が開催される。
岡山ゆかりの作家のパネル展示や書籍販売などを皮切りに、平松洋子さんによる講演会をはじめ県内外の書店・出版社・飲食店の出店、トークイベント、ワークショップ、一箱古本市など、市内各地で文学に関する催しが行われる。図書館、取次、商工会議所や大学、メディアなど連携し、地方都市における、文学による地域の活性化を目指す取り組みとして注目されている。
岡山市は、今年38回目となる「坪田譲治文学賞」を核としたさまざまな文学事業を通じて長年地域の活性化に取り組んでおり、岡山日販会主催、岡山市文学賞運営委員会・中央図書館共催によるビブリオバトルは今年4月に8回目を数えるなど、出版文化の維持・発展、読書人口増を目指す取り組みを重ねてきた。
さらに、同市では今年度から「文学創造都市岡山」を掲げ、文学にまつわる歴史や作品など地域資源の周知、多様な市民が文学によるまちづくりに参画する機会を創出するための取り組みにも注力。「ユネスコ創造都市ネットワーク」への文学分野での加盟申請を行う予定という。
こうした「文学によるまちづくり」事業の一環として、フェスティバルを企画。2月26日には倉敷市出身の平松洋子さんが「読む、書く。食べる」をテーマに講演し、地元書店員や図書館員とのトークセッションも予定している。3月4日には坪田譲治文学賞の贈呈式(受賞者と作家・阿川佐和子さんによる対談)が催される。
岡山文学賞運営委員会文学によるまちづくり部会の山川隆之部会長(吉備人出版)は、「創造性豊かなものづくりを大切にし、そのための小規模産業を守り、育成し、持続可能な産業としていこうという考えに共感、賛同している。併せて、『文学』をキーワードにまちが元気になることは素晴らしいことで、地域出版社としては、書店や図書館、大学などと連携して取り組む機会なので、可能な限りその役割を果たしたい」と取り組みに意欲を示している。
「文学創造都市岡山」の特設ホームページは2月末ごろ開設予定。フェスティバルの予定はhttps://www.city.okayama.jp/bungaku/0000022331.htmlで確認できる(一部に予約が必要)。