NHK出版は新年度の各企画で、書店対象の「2023年 春の企画説明会」を2月7日にオンラインで実施し、「基礎英語シリーズ」、「ラジオ英会話」などの語学誌、「趣味の園芸」、「きょうの料理」などの家庭誌をはじめ、書籍、ムックの紹介、定期購読獲得キャンペーンなどの販売施策について説明した。
冒頭、NHK出版の土井成紀社長が「2022年は連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の影響もあり、語学テキストは好調な一年となった」と報告し、「今年も『語学って楽しい』をキャッチフレーズに、番組とテキストのさらなる浸透を図っていく。引き続き、拡販に取り組んでいただきたい」と呼びかけた。4月スタートの朝ドラ「らんまん」は植物学者の牧野富太郎氏がモデルとあって、家庭テキスト『趣味の園芸』について触れ、「『趣味の―』は今年創刊50周年、さらに600号を迎える。この機会に売り伸ばしをはかれるよう期待している。今年もみなさんの要望に応えられるよう精一杯努めていく」と述べ、協力を求めた。
新年度の英語テキストはラジオが『小学生の基礎英語』、『中学生の基礎英語レベル1』、『同2』、『中高生の基礎英語inEnglish』、『ラジオ英会話』、『英会話タイムトライアル』、『ラジオビジネス英語』、『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』、テレビが、中学レベルで楽しめる新講座『英会話フィーリングリッシュ』の全9誌。英語ムックが新シリーズの『高田智子の大人の学びなおし英会話』をはじめ、『遠山顕のいつでも!英会話入門』、『杉田敏の現代ビジネス英語』の3誌。
語学編集部・湯原一憲部長は「『小学生の―』は授業で英語が定着したことで今年度、売上部数が前年比約130%と大きく伸び、中学1~2年生向けの『中学生の基礎英語レベル1』が約115%、23年度も期待できる。なかでも総合的なレベルアップを目指す『ラジオ英会話』は約120%と絶好調。今年もご期待ください」と呼びかけた。
英語以外のテキストではラジオ11誌、テレビ6誌を紹介。「第四次韓流ブームの追い風で今年度、『ハングルッ!ナビ』、『まいにちハングル講座』が売上を伸ばし、とくに『ハングルッ―』は、昨年度の『テレビでハングル講座』の150%になりそうな勢い。テキストではないが、『書いてマスター!ハングル練習帳』も好調。韓流ブームは続くので、韓流ファンに薦めてほしい」とした。
家庭誌の説明に立った生活編集部・木村均部長は「23年の一押しは『趣味の園芸』。巣ごもり需要で、家で草花を育てる人が増え、『趣味の―』も一昨年、昨年と部数を伸ばした。23年はさらに追い風が吹く」とし、「3月号で600号、今年度創刊50周年、さらに4月スタートの連続テレビ小説『らんまん』で神木隆之介さん演じる主人公のモデルは植物学者の牧野富太郎。『趣味の園芸』の放送では牧野氏由来の地を訪れ、テキストでは『牧野の七つ道具』を紹介するなどコラボもばっちり。大きな相乗効果を期待している」と話した。
また、『道草ワンダーランド』、『宿根草のナチュラルガーデン』ほか『趣味の園芸』関連書、『きょうの料理』、『きょうの料理ビギナーズ』、『すてきにハンドメイド』、『きょうの健康』、『趣味の園芸 やさいの時間』など各家庭テキストも充実を図ったことを説明した。併せて、『趣味の園芸』を定価700円、『趣味の園芸 やさいの時間』を定価980円に価格改定することを報告した。
書籍とムックについて登壇した常務取締役・小林玉樹編集局長が、3月発売のドラマガイド『連続テレビ小説らんまんPart1』、「らんまん」の舞台となった高知のガイトブック『かみきこうち』(神木隆之介)を紹介。さらに、5月に2巻同時発売の、誰もが一度は耳にしたことがある「世界史用語」を入口に「世界の謎と今」を読み解く新シリーズ『世界史のリテラシー』などについて説明。
作家・五木寛之氏が「ラジオ深夜便」で語った内容をまとめた『人生のレシピ』の第2期が4月にスタート。五木氏本人がビデオで登場し、書店に向けて「本書は日常生活で、人との対面や話し方、暮らしの知恵など90年の体験から具体的に語ってきたもの。出版に際してNHK出版側に、従来の単行本に捉われない形でつくり、NHKテキストコーナーに並べていただき、みなさんに手に取ってもらえるようなシリーズにしたいと提案した。本書が人々に届いて、生きる力の手伝いになれば作者としてうれしいかぎり」とメッセージを寄せた。
「定期購読キャンペーン」について、数百人の定期購読を獲得している今野書店(東京・杉並区)・今野英治社長がビデオ出演。今野氏は「獲得するために特別なことをするのは大変。スタッフ全員が取り組みやすいことが大切」とし、「NHK出版と作成した定期購読申込書を3月号のタイミング(2月)で『来年度もぜひお願いします』と手渡す。4月号をレジに持って来られた定期ではない人にもしっかり手渡し、3ヵ月でも定期購読をすればNHKオリジナルノベルティのプレゼントがあることも伝えている」と声掛けの重要性を強調。「定期購読は紙の本が売れない時代に来店してもらうための非常に良いきっかけ。定期の数の人が毎月足を運び、ほかにいい本があれば購入する。とにかくお店に来てもらうということを強く意識して取り組んでいる」と語った。
セールス・プロモーション部の鈴木敏部長は「毎年多くの定期購読を獲得している今野書店様の話は説得力があった。『レジで申込書を渡す、勧める』、シンプルだが、この積み重ねが獲得につながる。同書店で使用している申込書は、テキストコーナー用拡材『デコキット』にも同封している。ぜひ活用してほしい」と獲得の協力を求めた。
新年度の定期購読獲得コンクールの申し込み締め切りは5月31日。飾りつけコンクールは5月8日。また、昨年500店以上が展開した「100分de名著フェア」を今年も7月中旬に実施予定。50周年を迎える『趣味の園芸』において「大園芸書フェア」を3月中旬に実施する。
企画説明会の映像は3月31日までアーカイブ配信され、同社は全国の書店に視聴を呼びかけている。なお3年ぶりに東京、名古屋、大阪でリアルでの説明会も開催し、書店に向けて直接説明を行った。
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