日経BPは2月20日、スパイオタクという池上彰氏が初めて諜報戦の裏側を解説する『世界史を変えたスパイたち』(池上彰)を初刷1万2000部で発刊した。刊行直後の日本経済新聞での広告効果もあり初速が良く、発売後1週間で5000部の重版が決まった。3月中~下旬にも日経ほか、全国紙・交通広告等で拡販を後押しする。
ロシアによるウクライナ軍事侵攻や米中対立などで「新しい冷戦」という言葉が生まれ、スパイが暗躍した冷戦時代と重なる面が少なくない。「スパイの存在とは」、「果たしてきた役割は」。ロシアで神格化するスパイ、ゾルゲの存在や、イランの核施設を破壊するサイバースパイ、北朝鮮のスパイ事情、日本のインテリジェンス能力など、さまざまなスパイ像を織り込み、AIやITの進化によって複雑化する現代史を「情報戦」という側面から見ることで、今起きていることを深く理解できる内容に仕上がった。
本書の企画は、池上氏と編集者の対話の中で、池上氏が中学生時代から「007」シリーズなどのスパイ小説に親しみ、スパイ好きだと分かったことがきっかけ。多くの書籍を刊行してきた池上氏に新たな一面が加わる。同氏のファンはもとより、スパイ好き、世界史好きなどが読者に想定される。
日経BOOKSユニット第1編集部・木村やえさんは書店に向けて、「初速が良く、池上氏の著者としての力を感じる。スパイオタクの池上氏のことを、読者の皆様に楽しんでいただきたい。スパイになりきった池上氏の写真を使用した書籍カバーは目を引く。拡材なども用意しています」と推奨している。【櫻井俊宏】