池田書店は、ワールド・ベースボール・クラシックで日本代表の監督を務めた栗山英樹氏のエッセイ『栗山英樹29歳 夢を追いかけて』を30年ぶりに復刊する。初回搬入分については、通常の新刊配本ルートに乗せず、事前注文した書店にのみ出庫。初回分の注文は4月28日を締め切りとし、5月15日搬入で、初版部数は1万3000部を予定。復刻版には、栗山氏自身による「復刊にあたり」「あとがき」を新たに添える。
マネジメントや組織論などの著作が多いなか、同書は栗山氏自身の現役選手としての軌跡、苦悩、人生観などを綴るエッセイ。担当編集の青木啓輔氏は「29歳当時の経験や苦悩があるからこそ、今の栗山さんがある。本書はその当時を知ることができる唯一の本。だからこそ20~30代に共感してもらえるのでは」と語る。
さらに、同社・営業部の野口英之部長は「現役当時のエッセイということもあり、ビジネスパーソンをターゲットにした他社本とは差別化が出来ている。女性層をはじめ、本書を通じて『栗山本』の新しいマーケットを開拓したい」と意気込みを語る。
制作面においては、通常の新刊制作とは異なる工程で進行。30年前の書籍の復刊ということもあり、印刷会社にポジフィルムが残っていなかったため、ページごとに裁断した原本をスキャニング。デジタル上でシミ消しなどのクリーニングをし、さらには校閲・校正などのテキスト修正も画像処理で対応したという。
野口部長は今後の方針について「この本には監督として活躍した栗山さんの原点となるエピソードが多数収録されている。その内容は30年を経ても色あせず、長く読み継がれる作品。その価値を多くの読者に知ってもらい、5万部を目指したい」と展望を語る。