ライツ社 ミステリ作家・知念氏 初の児童書を発刊

2023年7月4日

 

四六判/160㌻/1210円(税込)

 

 ミステリ作家・知念実希人氏による初の児童書『放課後ミステリクラブ1 金魚の泳ぐプール事件』が6月28日、ライツ社から発刊された。

 

 人気の著者が初めて書いた児童書として話題を呼び、同社の大塚啓志郎社長・編集は「プルーフが足りず重版しました」と手応えを語り、書店員からも「この本をきっかけに読書好きが育ってほしい」と、知念氏の「ストレートに読書って楽しい、読書の魅力をこの作品から感じてほしい」との思いに共鳴の声が上がっている。

 

 同社ではサイン本1000冊やサイン色紙を用意し、著者の出身地・沖縄やデビューを果たした広島・福山市の書店でも大きな展開が始まっている。初版1万3500部はほぼ事前注文で埋まっているという。

 

 本書は、小学4年生の3人組が、先生を依頼人に学校やその周辺で起こるふしぎな事件に挑戦する。殺人事件はないが、トリックは本格的な大人向けミステリ小説と同じ手法で書かれ、印象的なシーンはイラストで状況把握を助けている。

 

 同社で児童書編集を担当する感応嘉奈子さんは、「子どもたちが人生で初めて読むミステリを目指した。伏線を回収する楽しさ、考えることの気持ちよさを、ぜひ親子で一緒に味わってほしい」と推奨する。小学校高学年から中学生が読み始める本格ミステリにたどり着く前の入門書ともいえそうだ。

 

 営業責任者の高野翔社長は「児童書コーナーはもとより、文芸で知名度のある著者だけに話題書コーナーでの展開もぜひ。知念氏はすでに3作目まで原稿を書き終えており、子どもの長期の休みに合わせて続刊を今年冬と来春に刊行する。シリーズで展開してほしい」としている。