大阪書林御文庫講(藤波優講元・燃焼社)は9月15日、御文庫講創立300周年を記念して大阪市中央公会堂(大阪市北区)で講演会『「大阪最古の図書館」を支え続ける出版業者』を開催する。
1723年(享保8年)に住吉大社(大阪市住吉区)、1730年に大阪天満宮(大阪市北区)にそれぞれ御文庫が建立され、そこに版元が版木の焼失などに備えて、初摺り本や版木を奉納するとともに、商売繁盛と組合家族の安全を祈願してきた。
かつては一般にも広く公開され、大阪最古の図書館とも呼ばれていた。その後、1910年に両宮の蔵を管理する組織「御文庫講」が合併して現在の形となり、10万点を超える和書・漢書の傷みを防ぐための曝書(虫干し)や、天神祭りでの陸渡御・船渡御などの活動を今に伝えている。
講演会の司会・演者は桂文我(落語家)、旭堂南海(講談師)、小出英詞(住吉大社権禰宜)、高島幸次(大阪天満宮文化研究所所長)、藤波優(大阪書林御文庫講講元)ら。
藤波講元は「次の世代が迎える400周年に向けて引き続き力を尽くしたい。講演会は御文庫講や両宮の歴史を楽しみながら理解できるのでぜひ聞きに来てほしい」と呼びかけている。
14時開演、入場無料(定員850人)。また、9月6日から19日まで紀伊國屋書店梅田本店で、御文庫講に参加する関西の版元18社による記念フェアを開催する。【櫻井俊宏】