日本経済新聞出版は、2015年に単行本、18年に日経ビジネス文庫として刊行した『最後はなぜかうまくいくイタリア人』(宮嶋勲)の魅力再発見と積極的な店頭展開を目指し、POPコンクールを開催する。本書の書店オリジナルPOPと、それを使った店頭展開の画像をもとに、最優秀賞(JTB旅行券10万円分と著者・宮嶋勲さんセレクトのワイン)などを選出する。
POPコンクール実施
本書は、ワインジャーナリストとしてイタリア人と深く関わってきた著者による比較文化論で、自身が体験したエピソードをもとに、イタリア人気質や文化を冷静で軽やかな文体で解説する。
本書は単行本で3刷、1万4500部、18年の文庫化以降は2年後に一度1500部重版しただけだった。しかし、今年に入って既刊の売り伸ばし施策としてネット広告を試したところ、本書の反応が良く、オンライン書店・リアル書店ともに売上が伸長した。
ネット広告の反響を受けて同社では、試験的に本書を展開してもらう書店30店舗を選定し、新たに販促物も作成してテスト販売を行ったところ、素早い反応で売り切れ店も出てきたことから、重版をかけて広く案内を開始した。ネット広告がリアル店舗での拡販につながった例としても注目される。
書店店頭では、文庫売り場にとどまらず、女性向け実用・エッセイなど他ジャンルの棚との掛け合わせ展開も見られる。「定番として置き続けられる銘柄として、売上実績のベースとなるアイテムが増えた」との声もあるという。
全国紙への出稿も
リアル書店での展開拡大に合わせ5000部、7000部、1万部と次第に大きなロットでの重版を実施し、9月12日現在で9刷5万7000部、電子書籍を含めると7万5000部を突破した。8、9月に続き、10月も全国紙に複数回出稿を予定している。
同社では今後も「『リクルートの すごい構〝創〟力』や『サイゼリヤ おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ』など、フェアや関連ニュースなどで伸びがあった銘柄は積極的に売り伸ばしていきたい」としている。
POPコンクールの申し込み締め切りは11月27日。入賞者には来年1月、個別に連絡する。問い合わせは日経BPマーケティングリテール営業ユニット(03―6811―8200)まで。【櫻井俊宏】