教養文庫シリーズを持つ出版社5社の共同フェア第10回「教養文庫コラボフェア」の受注が始まっている。旧フェア名の〝チチカカコヘ〟から10回目となる今回は「不朽の推し本!2024」がテーマ。過去9回で特に多くの読者に読まれてきたロングセラー作品を中心に各社8冊、計40冊を集めた。今回も小冊子、全社共通のフェア帯などを作り、準備を進めている。注文締切は10月31日(最終は11月17日)まで。フェアは来年1月下旬からスタートする。
今回参加するのは、筑摩書房「ちくま学芸文庫」、中央公論新社「中公文庫」、KADOKAWA「角川ソフィア文庫」、河出書房新社「河出文庫」、平凡社「平凡社ライブラリー」の5レーベル。〝チチカカコへ〟というフェア名で8回実施してきたが、昨年、講談社が抜けたのを機にフェア名も刷新。今回、節目の10回目を迎えた。
今回の選書は、これまでのフェアで並んだ400点余りの本の中から、特に多くの人に読み継がれてきた作品をピックアップ。「各文庫シリーズ編集長が推してきただけでなく、読者にも推されてきた本」を並べる。筑摩書房の河内(こうち)秀憲氏は「第10回の節目でもあり、今回は原点回帰し、過去9回の蓄積を生かして、実績が確認できている間違いない定番商品を提案することにした」という。
書店には40点×各3冊=計120冊の「Aセット」(セット予価12万6516円)と、20点×各3冊=計60冊(同5万9181円)の「Bセット」を用意する。いずれも3カ月延勘で1月下旬に搬入する予定。
オリジナル拡材は、前回初めて作って好評だった全社共通のフェア帯を今回も作る。全40タイトルについて5社の編集長が解説を書いた「小冊子」も引き続き作成する。A4判のフェアパネル、編集長の手書きPOPなどを提供する。
このフェアに参加する書店数は第7回が365軒、第8回が447軒、前回が492軒と年々増えている。今回は500軒の参加を目指している。前回のフェア終了後、参加した書店からは「小冊子を楽しみにしている読者が多数いる」、「拡材と共通フェア帯で売場に統一感が出て見栄えがいい」、「自力でそろえるのは難しいので助かる」など、たくさんの期待の声が寄せられた。
河内氏は「フェアを展開していただいた書店から、『こういった本を手に取るお客さんも、うちの店にいることが分かってよかった』という声もある。フェアをきっかけに意外な売れ筋、傾向が見つかることもある。ぜひフェア後の普段の棚づくりにも生かしてもらいたい」と呼びかける。
ロングセラーを中心にセレクトした今回のフェアは、若い世代の読者にもおすすめ。「いつもは目にしないような本も、フェアをきっかけに出会ってもらえるチャンスになる」とみている。また、いつか読もうと思っていた人や、途中で挫折してしまった人などが、あらためて手に取る機会にもなりそうだ。「新たな読者はもちろん、読み直し、学び直しのために読む人など、書店を訪れる幅広い層の人たちに手にしてほしい」と期待している。
注文は平凡社営業部、FAX=03(3230)6587まで。問い合わせは筑摩書房営業部(河内氏)、電話=03(5687)2680まで。