東京都書店組合 新プロジェクト「明日にも、本屋さんを」始動 都内の本屋が謎解きスポットに

2023年10月27日

 

 東京都書店商業組合(矢幡秀治理事長)は10月27日から、新プロジェクト「明日にも、本屋さんを」をスタートした。本屋を未来へつなげるためのプロジェクトで、新しい本屋の楽しみ方を提供することを目指す。TVアニメ「七つの大罪 黙示録の四騎士」とコラボした本屋巡り謎解きゲームを、都内の書店180店舗で開催する。また、プロジェクトに賛同した著名人と、「わたし、本を、本屋で買う人。」を合言葉に、YouTube動画や、購入者特典小冊子を製作し、都内対象書店で配布する。

 

▽特設ページ=https://tokyo-shoten.or.jp/ashita/

 

 東京書店組合によると、「近年、電子書籍の台頭・書籍のネット購入率の増加などを受け、全国の本屋の数が激減している。2000年には2万1495店舗存在した本屋が20年には1万1024店舗(出典・出版科学研究所)と約半数にまで落ち込んでいる」と指摘。そのうえで、東京都にある街の本屋を中心に組織する組合の加盟店舗数も「22年1月時点で287店と、1984年の1426店のピークから約80%も減少している」と明らかにした。

 

 書店数が減少しているなか、「(書店に)行く習慣がない・きっかけがない人が増加している現状を変える」ため、「明日にも、本屋さんを」プロジェクトを始動した。期間内には、TVアニメ『七つの大罪 黙示録の四騎士』とコラボした本屋巡りLINE謎解きゲームを開催することで、新しい本屋の楽しみかたを提供する。東京都内にある約180の書店を謎解きスポットとして、無料で楽しめる体験型ゲームイベントとなっている。

 

 

 

 

合言葉は「わたし、本を、本屋で買う人。」

 

 

 また、「わたし、本を、本屋で買う人。」を合言葉に、声優の梶裕貴さん、タレントの井上咲楽さん、女優の本仮屋ユイカさんをはじめとして、同プロジェクトを応援する著名人と、本屋の楽しみかたを伝える購入者特典小冊子を製作。12月1日から2月12日まで、都内対象書店で配布する。

 

東京都書店商業組合プロジェクト特別委員会・田中秀治委員長(大和書店)のコメント

 

 最近、ネットでのコミック読み放題が定着するなど、書店の売り上げは今までに増して大変厳しい状況になっている。本との予期せぬ出会いができる本屋が失われることは、知的好奇心への刺激を減らすのみならず、これまで多種多様な本の出版が行われてきた日本の文化を失うことに繋がると危惧している。今回のプロジェクトにより、町の本屋に足を運ぼうという方が一人でも増えてもらえることを願っている。

 

井上咲楽さんのコメント

 

 小学生の頃から本に救われてきた私が、「明日にも、本屋さんを」プロジェクトに関わらせていただけること、大変うれしく思う。本屋さんにいくと、そこには私のまだ見ぬ底無しの世界が広がっていて、自分が気づけなかった興味のアンテナを夢中になって追いかけてしまう…本屋さんは今も昔も心ときめく素敵な場所。これからも街中に大好きな本屋さんがあり続けて、多くの人の支え・希望になり続けることを心から願っている。今回、このプロジェクトに携わらせていただいたことで、少しでも本屋さんの未来にお力添えできたら幸いだ。