雑誌『暮しの手帖』(暮しの手帖社)の創刊75周年を記念して、京都市の誠光社(堀部篤史店主)で同誌を創刊した初代編集長・花森安治が手掛けた電車の中吊り広告などを展示した「花森安治の言葉 暮しの手帖創刊75周年記念展」を催している。記念展は1月15日まで。
店主の堀部さんは「75周年と知り、記念展を暮しの手帖社に提案した。花森はアートディレクター、コピーライター、編集長と、雑誌づくりのすべてを手掛け、戦後は国民の暮らしを守ろうと檄文のような言葉を使い続けた。まさに天職の編集者。そんな花森の『言葉』にスポットを当てたかった」と趣旨を話す。
店内には、中吊りのほか、花森考案の新聞広告も展示。1969年刊『戦争中の暮しの記録』(暮しの手帖編)など関連書籍も並べ、中でも堀部さんは71年刊の花森安治著『一戔五厘の旗』を推薦する。
堀部さんは「花森のことや、『暮しの手帖』第1世紀を知っている人など懐かしまれたり、これだけ資料を揃えたことに驚かれたり反応は様々だけど多くの人が目に留めてくれている」と記念展の手応えを語っていた。
誠光社=京都市上京区中町通丸太町上ル俵屋町437/10~20時/記念展最終日は18時まで。