一般社団法人日本建築防災協会が主催する「令和5年度耐震改修優秀建築・貢献者表彰」で、株式会社紀伊國屋書店が所有する紀伊國屋ビルディング(東京都新宿区)が「日本建築防災協会理事長賞・耐震改修優秀建築賞」を受賞した。
紀伊國屋ビルディングは、同社創業者・田辺茂一氏の「文化・芸術の交流の場としての文化人のセンターを作る」という理念に基づき、ル・コルビュジエに師事したモダニズム建築の前川國男氏が設計を手掛け、書店(新宿本店)・劇場(紀伊國屋ホール)・画廊を擁し、テナントと40近い飲食店、物販店が連なる複合商業ビルとして1964年3月に竣工した。
紀伊國屋書店は2017年の「東京都選定歴史的建造物」選定を機に耐震改修工事を行うことを決め、19年から22年10月にかけて耐震改修工事を完了。並行して、基幹設備更新工事と紀伊國屋ホールの改修工事、新宿本店の店舗改装工事を進め、23年1月に新しい姿に生まれ変わった。
「耐震改修優秀建築・貢献者表彰」は耐震改修を実施した既存建築物のうち、特に耐震性、防災・安全性、意匠等に優れた建築物及び関係者と、建築物の耐震改修の促進及び耐震改修技術の発展等に顕著な貢献を行った者(個人または団体)を表彰している。