マンガ大賞実行委員会は4月2日、東京・千代田区のニッポン放送で「マンガ大賞2024」の授賞式を開催した。泥ノ田犬彦さんの『君と宇宙を歩くために』(講談社)が大賞に選ばれた。
マンガ大賞は、全国の書店員や各界の漫画ファンが投票する賞で、23年1月1日から12月31に出版された最大巻数が8巻までの漫画作品(電子書籍含む)が対象。
投票者数は、1次選考参加者が101人(投票対象作品数は257作品)、2次選考参加者が98人(ノミネート作は10作品)。ノミネートされた全10作品を読んだうえで上位3作品に投票し、1位3㌽、2位2㌽、3位1㌽で集計される。1位の泥ノ田さんは、2位以下に20㌽以上の得点差となる96㌽で大賞を受賞した。
授賞式では、マンガ大賞実行委員でニッポン放送アナウンサーの吉田尚記氏が司会・進行を務め、同じく実行委員の渋谷孝氏がマンガ大賞の趣旨や、実行委員会、投票者が皆ボランティアで参加している旨を説明した。
昨年、『これ描いて死ね』で大賞を受賞した漫画家のとよ田みのる氏がプレゼンターとして登壇し、泥ノ田さんに実行委員会手作りのプライズを贈呈。泥ノ田さんの受賞作について「とても好きな作品。生きづらい人たちに温かい視線がある」とコメントした。
泥ノ田さんは自ら作ったという黒い犬の仮面をつけて登壇。「昨年6月に第1弾が公開されたときは、こんなに多くの人に読まれて、賞をもらえるとは思っていなかった」と喜んだ。主人公・宇野くんについては、「明確なモデルがいる」としつつ、本人は漫画を読まないので、今作も「読んでいない」と話した。また、今後については「思い描いているエンディングがあるので、そこに向かって描けたらと思う」と語った。
独特のペンネームについて問われると、「編集長に、本当にその名前でいいの?と言われたが、作品を描いているときは泥の中を犬のようにわーっとやっているイメージなのでそのまま付けた」と明かした。
その他のノミネート作品とポイント数は以下の通り。▽73㌽=『黄泉のツガイ』荒川弘、▽72㌽=『神田ごくら町職人ばなし』坂上暁仁、▽59㌽=『平和の国の島崎へ』瀬下猛、濱田轟天、▽56㌽=『ダイヤモンドの功罪』平井大橋/『天幕のジャードゥーガル』トマトスープ、▽50㌽=『正反対な君と僕』阿賀沢紅茶、▽49㌽=『環と周』よしながふみ/『ひらやすみ』真造圭伍、▽28㌽=『ファミレス行こ。』和山やま