兵庫トーハン会総会が6月13日、神戸市の有馬グランドホテルで開かれ、安井唯善会長(安井書店)は、公立小中学校のホームページに掲載される「推薦図書」からオンライン書店につながるサイトが広がりを見せていることに警鐘を鳴らした。
総会冒頭、安井会長は全国の小中学校にホームページを提供している団体について触れ、「大手オンライン書店と提携し、無償で学校のウェブサイトを作成し提供している。サイトには推薦図書も掲載されクリックするとオンライン書店につながる。公立学校のホームページでネット書店サイトに誘導される仕組みはいかがなものか」と問題提起。
その上で「オンライン書店につながらないよう有償で同サイトを活用している自治体もあるが、我々の知らないところで様々な問題が発生している。トーハンやJPICとも連携を図り、書店の足を引っ張る事案については解決策を講じていきたい」と訴えた。
プレミアムセールトップ5入りへ
トーハン施策説明では、豊田広宣専務が昨年度までの中期経営計画「REBORN」の総括、今年度からの中計「BEYOND」について説明。経済産業省の書店振興プロジェクトチームについても触れ、「状況は前進しているが、国が関心を向けたところで業界が自然に活性化することはない。最後は出版界の強い意志が大事。今後も取次事業に誇りと責任を持って取り組んでいく」と語った。
金子俊之東海近畿支社長は新TONETSV、enCONTACT、店頭活性化企画、外商など主要施策について報告。
大垣隆大阪神戸支店長は、2023年度プレミアムセール年間順位が同会9位の結果について、「実績金額では目標達成だが、返品実績により目標比では70・7%と未達。今年度の対象銘柄は46点。外商、店頭、各商品の特性に合わせて送品計画を立て、実績進捗を会員書店と共有する。必ずトップ5入りを果たそう」と力を込めた。