ポプラ社は6月17日、第12回「ポプラズッコケ文学新人賞」の授賞式を東京・品川区の本社内で開催した。『もしもわたしがあの子なら』(応募時タイトル「天使の恩返し」)で大賞を受賞した作者のことさわみさんに、ポプラ社の加藤裕樹社長から賞状が手渡された。
同賞は、子どものための文学の未来を担う、才能ある新人がはばたく窓口となるよう2011年にスタート。今を生きる子どもたちが「お腹を抱えて、笑い、そして心から泣ける」エンターテインメント文学を全国から募集。今回は一般とウェブを合わせて総数168編の応募があり、最終選考5作品の中から同作品が大賞に選ばれた。
大賞の作品は、クラスメイト3人の入れ替わりを描いた作品。「3人が入れ替わるというところが目新しく、先を読みたくなる展開で読者を引っ張る筆力」が高く評価された。
授賞式で、ことさんは「受賞の知らせを聞き、夢だった作家になれるかもと思ったら、急に怖くなってしまった。しかし、ポプラ社の編集担当の方がアイデアを一緒に考えてくれたりして、本当に心強かった。作品を作っていくことは苦しいが、楽しく、面白いことだとあらためて感じている。これからも作品を作り続けたい」と喜びを語った。
加藤社長は「新しい作家がデビューすることは、出版社として大きな喜びのひとつ。この作品もポプラ社として自信を持って世に送り出せる。作家生活でつらいこと、上手くいかないことが、多々あるかもしれない。そんなときは会社全体でバックアップしていくので、楽しく充実した作家生活を送ってほしい」とエールを送った。
なお、この名称での募集は今回で最終となり、賞の思いを引き継ぐ新しい文学賞へのリニューアルを検討している。