「書店員が選ぶ絵本新人賞2024」(主催・読売新聞東京本社、中央公論新社)の受賞作が7月1日、発表され、ドイツ在住のウェブデザイナー、さかとくみ雪さん(44)の作品『ライオンのくにのねずみ』が大賞に選ばれた。11月に中央公論新社から出版される予定。
「絵本新人賞」は、子どもたちに「読む」楽しさを伝え、読書好きを育てようと創設された。出版経験がない人の未発表作品を対象に、選書のプロである書店員の投票で受賞作を選ぶ。2度目の今回は、国内外から422点の応募があり、全国の書店員406人が投票した。
大賞の『ライオンのくにのねずみ』は、ねずみの一家が父親の仕事の都合で言葉も習慣も違う「ライオンのくに」に引っ越すことから始まる物語。書店員からは「子どもも大人も楽しめて、考えさせられるストーリー」「(読者の)年齢が上がるにつれて内容の深さに気付ける、長く読み継がれてほしい絵本」などと評価された。
さかとくさんは武蔵野美術大出身で卒業後もアートや絵本制作に取り組んできた。現在はウェブデザイナーとして活動している。受賞について「書店員という本のプロに選んでいただき光栄。多様で寛容な世界を願って作った作品を広く読んでいただける機会を得たことに感謝している」とコメントした。
また、特別賞には、はせがわまりさん(18)の『わたしはかわいいおにんぎょう』と、いすやますみえさん(41)の『ズグロカモメの夏』が選ばれた。